ついに「初代86&BRZ」が目指した「安く買って遊び倒せる」時代がきた! 86を知り尽くした男が「松竹梅」のイジリメニューを解説 (2/2ページ)

少ない予算でパフォーマンスアップが可能

楽しみ方メニュー「竹」:車高調取り付け

 ノーマルサスペンションは正直イマイチなフィーリング。腰高感があり、フワフワとしている割には乗り心地の面では突き上げが気になる味付けだ。「純正こそクルマの真髄」と思っている方はそのまま乗っていただくとして、サーキット走行も含めてより86/BRZを楽しむなら交換がオススメ。

 車高調自体は星の数ほど発売されていて選び放題。リーズナブルなモデルなら10万円くらいから購入可能だ。なお、だいたいの目安だが、街乗りも快適でサーキットも楽しみたいというなら、30万円以上のモデルになるとグッと走りの質感が良くなり、どちらも満足できることが多い傾向にある。

 周辺パーツでは、強化スタビライザーやサスペンションアームを強化ブッシュにするなどがあるが、とりあえずサスペンション交換だけでも十分だろう。ちなみに、リヤまわりのアームブッシュをピロボール化すると乗り心地が良くなりやすい。

 サスペンションの取付工賃はアライメント調整も含めて5万~6万円くらいが主流だ。

楽しみ方メニュー:「松」過給器チューン

 邪道であり、アウトローであるかもしれないが、いまなら86/BRZで楽しめるのが過給器取り付けチューンだ。NAの高圧縮エンジンにそのまま取り付けるターボキットとスーパーチャージャーキットが発売されている。どちらも価格はざっくり50万~60万円。そこに工賃で10万円程として、60万~70万円ほどが目安だ。

 どちらもパワーは50~60馬力/トルクは10~15kgmほどアップさせることができる。NAのままでこれだけパワーアップさせようと思ったら200~300万円コースのフルチューンでもちょっと無理かも!? というくらいの出力が得られるので、コストパフォーマンスは非常に高い。

「NAエンジンの鋭いレスポンスを犠牲に過給器チューンなんて邪道だ」という意見もあるが、じつは街乗りでこそ過給器チューンはオススメ。ちょっとした加速が楽になり、高速道路での合流も力強くなる。普段乗りの楽しさが抜群に高まるのだ。

 さらに、ドリフトをしたいという人にもこのチューニングはオススメ。ノーマルエンジンでのドリフトはパワー的にちょっと厳しい。「ドリフトといえばシルビア」みたいな風潮がまだまだあるが、86を買って過給器を取り付けるよりも酷使されたボロいシルビアの中古車のほうが高いのが現状。その後のトラブルや経年劣化パーツの交換、そもそものボディ剛性など考えたら、86をベースにいじったほうが良いと言えるのだ。


加茂 新 KAMO ARATA

チューニングジャーナリスト

NO IMAGE
愛車
GR86/AE86/スイフトスポーツ(ZC33S)/CBR954RR
趣味
クルマ
好きな有名人
タモリ

新着情報