ディープすぎるニッポンの文化! 一般人には意味不明の「デコトラ」の運転席まわりの専門用語をご紹介!! (2/2ページ)

他人と違うデコレーションを好むデコトラにはワンオフ製品が多い

実用的なものから飾りへと進化したデコトラアイテム

 フロントガラスの上部にせり出させたアイテムは、「バイザー」と呼ばれる。シートデッキと同様に、こちらも実用的なアイテムが進化したもの。

 昭和の時代では「庇」とも呼ばれていたバイザーは、その名のとおり日除けとして活用されていたのだ。睡眠不足のなかで運転しているドライバーにとって、朝日や夕日はとても危険で辛いもの。昼夜問わずに街道筋を駆けるトラック稼業においては、必須アイテムだと言えるだろう。さらには、冬季ではフロントガラスの凍結防止にも役立つという優れものなのである。

 そんなバイザーは、もともと小ぶりで簡素なデザインだったのだが、こちらもシートデッキと同様に電飾パーツが組み合わされるようになり、飾りとしての色が濃くなってゆく。近年では、日除けや凍結防止のためにもっとも重要であるはずの、屋根の部分に該当する天板を持たないものが多い。それは大きなパーツでド派手に飾り上げたデコトラに多いのだが、バイザーそのものを巨大化したことで、軽量化と空気抵抗の軽減を図っているのだ。その部分でも、現代におけるバイザーとは実用性云々ではなく、装飾としての意味合いが強いことがおわかりいただけるだろう。

 仕事車の世界では大き過ぎるものは敬遠されるが、趣味で飾られたデコトラには巨大なバイザーを装着する人も多い。

 写真は「元禄丸」のバイザーで、車輌全体の飾りに相応しくクラシカルなものを装着する。形状はシンプルで、サイズは小さめ。まさに日除けとして活用されていた時代の雰囲気を、存分に放ちだしている。

 前方へと大きく張り出させた写真のバイザーは、天板を排除して軽量化や空気抵抗を軽減させたもの。もちろん実用性はなく、飾りと割り切って装着されている。サイドミラーをセットしたパーツは、ミラーステーと呼ばれて親しまれている。

知れば知るほど奥深く、とてもディープなデコトラ文化

 他人と違うデコレーションを好むデコトラの世界では、一般的な改造車と比較すると汎用パーツが圧倒的に少ない。登竜門とも言えるバイザーには既製品が存在するが、シートデッキにおいては十中八九オリジナルだと言ってもいいだろう。もちろんデコトラに欠かすことが出来ないアイテムは、ほかにもまだまだ存在する。その部分については、稿を改めてお伝えさせていただきたいと思う。


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