この記事をまとめると
■EVも渋滞に巻き込まれた場合は通常走行時よりも電費が悪化する
■ただしエンジン車に比べEVは渋滞時のエネルギー損失が少ない
■冬場はシートヒーターやステアリングヒーターを駆使すれば無駄な電力を消費せずに済む
シートヒーターやハンドルヒーターは空調に比べ電力消費が10分の1
電気自動車(EV)も、渋滞中に電気を使う装備があるので電力を消費するため、順調に走っているときに比べ電力消費(電費)は悪化する。ただ、エンジン車ほどではないだろう。
理由は、発進と停止が繰り返されたとき、エンジンとモーターでは発進時のエネルギー消費が異なるためだ。エンジンは、最大トルクの出る回転数までトルクは低い値になる。一方、モーターは低い回転域でも最大トルク値を出せる特性なので、発進時のアクセルの踏み込みを少なく抑えられるため電力消費は少なくなる。
クルマで、もっとも燃費(あるいは電費)が悪化するのは発進時だ。軽自動車でさえ、ガソリンエンジン車では瞬間燃費が1桁台に落ちる。そういう場面でモーターは、アクセルペダルをわずかに踏むだけである程度の速度まであげられるので、電力消費は少ないだろう。
また、発進と停止が繰り返される場面でも、EVの場合はたとえ低速域からでもアクセルを戻せば回生が働いて、それによって発電した電気をバッテリーに充電することができる。一方エンジン車で、エネルギーを燃料タンクに戻すことはできない。
発進と停止を繰り返せば繰り返すほど、エンジン車に比べEVはエネルギー損失が少なくなる。
そうはいってもカーナビゲーションや空調など含め、電気装備は停車中も稼働し続けるので、ここはEVも電力消費がある。
ただ、暖房に関しては、EVではシートヒーターやハンドルヒーターを軽EVでさえ装備することができるので、渋滞中は空調を止めたり弱めたりしやすく、その分のエネルギー消費は、エンジン車に比べて下げることができるだろう。
シートヒーターやハンドルヒーターは、空調に比べ電力消費が10分の1といわれるので、空調だけに依存するより無駄な電力を消費せずに済む。ことに渋滞中は電力を使い続ける時間の割に移動距離を伸ばせないのだから、省エネとなる装備でしのぐことは、走行距離の短縮を抑える効果が出る。
したがってEVを購入する際は、シートヒーターとハンドルヒーターを装備するようにしたほうがよい。
以上のような理由で、渋滞した際のエネルギー消費はEVのほうがエンジン車より抑えられると考えられる。しかし、何パーセントほどよいのかについては、実際に同じ条件で試してみるなどしないと、比較するのは難しい。