この「お菓子」のようなマーチは夢を追う若者を後押しするため作られた! 「MARCH patissier CONCEPT」の担当者を直撃【TAS2024】 (2/2ページ)

スイーツでも甘くなり過ぎないことがポイント

──グリルやドアに使われている木目模様は何がモチーフなのですか?

「これも、そのパティシエさんのお店の壁を参考にしています。ただ、クルマで木目を使うと昔のステーションワゴンみたいになってしまうので(笑)、ふつうでは使わない部分にあえて施しました。ドアの広い面に使ったのもそのためで、リヤドアだけにしたのはガラス面に設けた黒板とマッチさせるためですね」。

──ホイールアーチにもグレーのアクセントラインがありますね。

「このマーチのサイドビューは、丸いルーフと前後ホイールアーチのバランスで成り立っているので、それをグレーのラインで強調しているんです。さらにホイールキャップにも同じ色を使うことで効果を高めた。ちなみに、このホイール自体はふつうの純正品ですが、前後で色を反転させ、視覚的なバランスを図っているんです」

──インテリアではグリーンを思い切り使いましたね。

「じつは、この布はボディに使ったオリーブグリーンとホワイトや茶色、さらに内外装でアクセントとしたゴールドがすべて織り込まれた素材で、ただの緑じゃないんですよ。布自体は社外で探したのですが、見つけたときはデザイナーから歓声が上がりましたね(笑)」

──このグリーンをどのくらいの広さで使うかは悩ましところですね。

「そこはやり過ぎてしまうと先のように甘さが勝ってしまうので、木目模様とバランスをとっています。また内装はグレーなので、グリーンだけだと境目がボンヤリしてしまうこともあり、やはり木目やゴールドによるアクセントが必須でしたね」

──では最後に。今回このクルマを手掛けてみて中古車の可能性を感じられましたか?

「はい、かなり感じましたね。去年のキューブでは『なぜいまこういう四角いクルマがないのか?』という声を若い人からたくさんもらったんです。このマーチも発売から10年程経ちますが、いま見ると発売時とは違った見方ができるのではないか? そこへ少し新しい魅力を加えると、単に安い中古車ではない価値が生まれると思います」

──そこが若い人のアンテナに引っかかるワケですね。本日はありがとうございました。


すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

愛車
いすゞFFジェミニ4ドア・イルムシャー(1986年式)
趣味
オヤジバンド(ドラムやってます)/音楽鑑賞(ジャズ・フュージョンなど) /カフェ巡り/ドライブ
好きな有名人
筒井康隆 /三谷幸喜/永六輔/渡辺貞夫/矢野顕子/上原ひろみ

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