自動車のプロはどうやって愛車を選んでいるのか? ハズさないクルマ選びのコツを聞いてみた (1/2ページ)

この記事をまとめると

■コラムニストがマイカー選びで重視する点を紹介

■山本晋也さんは「代わりの効かない魅力」があることを最優先する

■さまざまな条件を考えるが最終的には「肌に合う」ことを最優先している

ある意味「ライバル不在」が重要

 モータージャーナリストという職業・肩書からは「クルマの評価やチェック、解説をする職業」という姿が思い浮かぶだろう。新車を評論する際には、時代性やターゲットユーザーとのマッチングなど、自分の好き嫌いとは分離して考える職業ともいえる。そんなクルマのプロは、新車を購入する際に必ずチェックしていること・するところはあるのだろうか?

 おそらく千差万別、十人十色だろう。モータージャーナリストは必ず一定の基準でクルマを評価・解析する必要もなく、当然ながらマイカーについては完全に個人のおかれた状況や趣味趣向、好き嫌いで選んでいるはずだ。

 というわけで、モータージャーナリストではなく自動車コラムニストを名乗っている筆者の場合、どんな基準でマイカーを選んでいるかをお伝えしようと思う。

 ちなみに、ジャーナリストとコラムニストの違いについては、著名コラムニストである小田嶋隆氏が『コラムニストとは、取材をしないジャーナリスト』と定義している。この表現について、足で稼いだファクトを伝えることより、自分の感性を重視した文章を書くことを大切にしているという意味では、小田嶋氏の定義は納得であるし、そうしたマインドの持ち主がマイカー選びで重視しているポイントについて語るコラムになると、ご理解いただければ幸いだ。

 結論をいえば、「替えの利かない要素があること」を、マイカー選びにおいて最優先事項としている。

 たとえば、いまの愛車はスズキのエブリイバンなのだが、なぜライバルとなるホンダN-VANやダイハツ・アトレー/ハイゼットカーゴではなかったのかといえば、エブリイにはメーカー純正の2段ベッドキットが設定されていたことにある。

※写真はエブリイワゴン

 そもそも軽バンを選んだ理由は、「気ままな車中泊ドライブを軽バンという限られたスペースで楽しんでみたい」というものだった。そのうえで、「軽バンのプリミティブさを実感できるMTで乗りたい」、「せっかくなら商用車らしくFRがいいな」などの条件を当てはめていったところ、最終的には上記のとおり「純正アクセサリーとして用意されているアルミ&スチール製の丈夫な2段ベッドが設定されている」ことが決め手となった。

 軽バンのなかで、最大4名の大人が横になれるというのは、オンリーワンといえるもので、「替えが利かない」というクルマ選びの最重要条件に合致したことで、エブリイバンを購入することにしたのだ。

 過去の愛車歴を振り返ると、2000年頃に購入したホンダ・インサイト(初代)については、「オールアルミボディかつ、専用設計の3気筒エンジン+ハイブリッド。空力のために後輪をスパッツで覆ったフォルム」という他に類を見ない要素が購入を決断させてくれたと記憶している。

 ここまで振り切れていなくとも、これまで「このクルマでしか味わえない、楽しめない」部分を重視して愛車を選んできたと自負している。その理由はクルマを買ったあとで後悔したくないからだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

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