この記事をまとめると
■ファミリーユーザー待望のジムニー・ノマドが人気爆発し受注停止状態となっている
■インドでは過去にロングホイールベース仕様の「ジプシー」が存在していた
■軍用車にも採用された本格モデルで少数ながら業者によって並行輸入された
ビッグサイズのジムニーはノマドが最初じゃない
「ジムニーはほしいけど家族がいるから3ドアはちょっとなあ」という長年の懸念事項を一気に解決した5ドアモデルのジムニーノマドは、発表から数日で受注停止となるほど注文が殺到し、ようやくデリバリーが開始された現在、その中古車がとんでもない価格となっているのはご存じのとおり。
多くのユーザーが長年待ち焦がれてきた仕様が実際に販売されたということを思えば、そのフィーバーぶりもやむなしといったところだが、じつは過去にもロングホイールベース版のジムニーは存在していた。それがインドで生産されていた「ジプシー」というモデルである。
マルチスズキ・ジプシーのフロントマスク画像はこちら
このジプシーは、インドにおけるスズキの生産子会社であるマルチ・スズキが生産していたモデルで、2代目ジムニーをベースとしたもの。そのため、フロントマスクはジムニーそのものとなっているが、キャビンにはハイルーフ化されたレジントップが備わっており、ホイールベースやリヤオーバーハングもジムニーよりも伸ばされているため、サイドシルエットの印象はかなり異なるものとなっている。
ちなみにジプシーにはレジントップ仕様のほか、ソフトトップモデルも存在しており、その走破性の高さからインド軍の軍用車両にも採用されていたほど。
マルチスズキ・ジプシーのフロントスタイリング画像はこちら
当然、日本の軽自動車規格は無関係であるため、オーバーフェンダーを装着してワイドトレッド化がなされているほか、エンジンは1.3リッターの排気量をもつ直列4気筒が搭載されている。
そしてシートレイアウト。フロントシートについては通常のジムニーと同じく2名分のシートが備わるが、リヤシートは横に向かい合って座ることができる3人がけのベンチシートが左右に備わっており、なんと8人が乗ることができるようになっていたのも大きな違いとなっていた。
マルチスズキ・ジプシーのリヤシート画像はこちら
インドで独自の進化を遂げていたそんなジプシーだが、過去にスペシャルショップが日本への法規対応を行った上で少量輸入販売をしていたこともあった。
残念ながら横向きに座るリヤシートはNGだったようで、通常モデルと同様の2座のリヤシートに変更されていたが、ハイルーフ&ロングホイールベース化による広い荷室空間と、安定した乗り心地という恩恵はそのままだったそうだ。
すでに販売自体は終了してしまっているが、中古車として流通する可能性もあるはずなので、気になる人はアンテナを張っておいてはいかがだろうか。