「免許がほしい!」で教習所へ……思ったより難しくてくじけ気味! 元教習所教官が語る対策とは

この記事をまとめると

■長期休みを利用して教習所に通う人が多い

■操作することが多いので教習中につまづく生徒は少なくない

■最短で卒業することよりも余裕をもって卒業するほうが公道に出た際に安心できる

スムースに教習所を卒業するコツ

 春休みや夏休みなどの長期休暇を利用して運転免許を取得しようと考える方も多くいるでしょう。しかし、実際に教習所に通い始めて運転してみると、思っていた以上に運転が難しかったりつまづいたりすることがあります。そこで今回は、元教習指導員が運転でつまづくポイントとスケジュールの組み方についてお伝えします。

●クルマの運転は簡単ではない

 クルマの運転は、「簡単」「慣れればなんてことない」などと聞くことがありますが、車両感覚をつかむのに時間がかかったり、手と足で別々の動きをしたりすることがあるため、簡単だと断言することはできません。

 また、MT車の場合は、両手両足をバラバラに動かさなければならない場面もあるため、AT車よりMT車のほうが運転の難易度は高いといえます。

 加えて、周囲の交通状況の把握、危険予測、安全確認なども行わなければならないため、運転は思っている以上に難しいだけでなく、頭も使うのが現実です。

●車両感覚とクルマの動きの把握と適切な操作がポイント

 クルマの運転は、自分の身体の倍以上も大きいモノを動かすため、左右前後の感覚(いわゆる車両感覚)を掴むのが大変だったり、どの程度ペダルやハンドルを操作するとクルマがどのくらい動くのかということを把握するのに苦労したりすることがあります。

 具体的には、第1段階のS字・クランク、第2段階の進路変更・周囲の交通への気配り・障害物を避けるときの安全な間隔・方向変換や縦列駐車などが一般的に苦労するポイントといわれます。

 このような苦労する項目では、車両感覚をつかみ、クルマの動きを把握して、クルマの動きに対する適切な操作をすることが重要です。

 教習中につまづくポイントや苦労したりすることがあったときは、ミラーや目視で左右前後へ目配りして空間の把握ができているか、クルマの死角で見えなくなる前に障害物などを認識できているか、クルマの動きに対する適切な修正操作ができているかなどを再確認してみるとよいでしょう。

 また、車両感覚をつかむためには、ぶつからないようにすることだけでなく、限界がどこなのか、運転席から限界点がどのように見えるのかなども教習中に理解しておくことが大切です。そのため、教習中にポールにぶつかったり縁石に乗り上げたり溝に落ちたりしたときは、「限界点を知ることができた」と前向きに捉えて教習を続行するとよいでしょう。

●最短取得ではなく運転技術を習得してから卒業する

 長期休暇を利用して運転免許を取得しようと考えている方のなかには、最短時限数で卒業することを前提にスケジュールを組んでいる方もいます。しかし、安全運転ができるようになってから教習所を卒業しなければ、免許取得後に大変なことを起こしてしまう可能性があります。

 そのため、長期休暇を利用して運転免許を取得する際は、最短時限数で教習所を卒業することを前提としたスケジュールを組むのではなく、苦手なポイントを練習する時間が発生する可能性も視野に入れたゆとりあるスケジュールを組むことが重要です。

 つまり、教習所を卒業するまでの日数が延びても問題がないようなスケジュールにしておくことが大切だということです。

 免許取得後の期間は、教習期間よりも長い時間となります。クルマを安全に運転するためにも、運転をしっかりと教えてもらえる教習中の期間を有効に利用して、運転技術および安全運転に関する知識をしっかり習得してから教習所を卒業しましょう。


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齊藤優太 SAITO YUTA

ライター/インストラクター/ジャーナリスト

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