復活したがスープラの灯が再び消える! トヨタの歴史的スポーツクーペでも抗えない時代の変化 (2/2ページ)

いまの時代にスポーツカーはそぐわない

 1986年登場のA70型は、グランドツーリング(GT)らしさを強化した。日本はいわゆるバブル期であったこともあり、A70は幅広い世代での需要が高まった。また、モータースポーツの舞台にもA70が登場する。

 次いで1993年登場のA80型は、スパルタンなGTという雰囲気に刷新された。モータースポーツシーンでの活躍も目立つようになるが、市場のトレンドに変化が生じた。1990年代後半から2000年代前半にかけて、スープラの需要が多い北米市場を中心にSUVシフトが加速したのだ。北米に限らず、当時の先進国で高級クーペモデルや、GTの立ち位置が大きく変わったのだ。

 それから、現行スープラが登場する2019年までには17年もの歳月が流れた。

 グローバル市場を見れば、中国が世界最大の自動車生産・販売国となっており、インドが成長市場として注目されている。また、欧州を中心に電動化(EVシフト)が急速に進むといった環境だ。そこにトヨタはエモーショナルな高級クーペの需要を見込み、BMWとスープラを共同開発するという方策を講じた。

 だが、トヨタの思惑と市場の受け止めは若干違った印象だ。レクサス「RC」の状況も同じである。高級ブランドであるレクサスにおいて、北米、中国、中近東、そして日本などの市場におけるスポーツカーの需要が変わってきているのだ。

 なぜ、日本の高級クーペがいま姿を消すのか。それは、時代の変化というしかない。


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桃田健史 MOMOTA KENJI

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