果たして本当に「いらない機能」なのか?
もしかして、ほかのジェスチャーコントロールも同じような状況なのでは? という疑問が浮かんできますが、顧客満足度に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D.パワーの「日本自動車テクノロジーエクスペリエンス調査」(2023年度)によれば、先進機能・装備について不具合の指摘指数がもっとも多かった装備・機能が「ジェスチャーコントロール」。次いで「顔認証」、「ダイレクトドライバーモニタリング」となっており、機能の改善か、装備の要不要を見直すことが必要だと結論づけています。
実際に使ってみた印象やリアルなユーザーの声を拾ってみても、「3回に1回くらいしか正常に操作できない」「ジェスチャーするより声の操作やタッチ操作のほうが早いしラク」「誤作動が怖くてなかなか使えない」「ジェスチャーするのが気恥ずかしい」といった意見が聞こえてきます。買った当初は面白さから使ってみるけど、そのうちに使わなくなってしまうということが多いのがリアルな状況のようです。
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ただ、有識者の予測によれば、世界の自動車用ジェスチャーコントロールシステムは、今後2027年ごろまでに目覚ましい成長を遂げるとしています。テクノロジー重視のライフスタイルと、さらなる技術の発展がリンクしていくことは間違いなく、ドライバーの安全性に対する意識の高まりと合わせて、搭載が進んでいくというのです。とくに北米での市場の成長が、ジェスチャーコントロールの世界的な需要をリードしていくと予測されるとのこと。
確かに、テスラをはじめとするように先進テクノロジーを新たな概念で取り入れるクルマが増えてくれば、そのうちに「ついてないと物足りない」という意識になっていくのかもしれないですね。スマホネイティブな若い世代など、ジェスチャーコントロールのほうが使いやすいという人たちが多数派になる日が近いのかどうか、今後も注目していきましょう。