この記事をまとめると
■日本車メーカーの新車販売台数順位は日本市場と世界市場では一部異なる
■日本でも世界でも1位はトヨタで不動だが2位と3位は入れ替わっている
■日本のユーザーを見据えて商品開発することは世界的な競争力を強化することにも繋がる
日本メーカーの日本市場における順位と世界市場における順位
日本車メーカーの海外を含めた世界生産台数と、国内における販売台数には違いが見られる。2024年度(2024年4月から2025年3月)の世界生産台数ランキングと、国内販売台数ランキングは以下のとおりだ。
■2024年度の世界生産台数ランキング
・1位:トヨタ/967万9470台
・2位:ホンダ/364万4066台
・3位:スズキ/329万5860台
・4位:日産/304万8717台
・5位:ダイハツ/143万8910台
・6位:マツダ/120万7069台
・7位:スバル/94万6204台
・8位:三菱/90万9743台
■2024年度国内販売台数ランキング
・1位:トヨタ/150万5255台(国内販売比率:16%)
・2位:スズキ/71万7720台(国内販売比率:22%)
・3位:ホンダ/66万8582台(国内販売比率:18%)
・4位:日産/46万868台(国内販売比率:15%)
・5位:ダイハツ/45万5128台(国内販売比率:32%)
・6位:マツダ/15万1726台(国内販売比率:13%)
・7位:三菱/11万7486台(国内販売比率:13%)
・8位:スバル/10万8818台(国内販売比率:12%)
世界生産台数、国内販売台数ともに1位はトヨタだが、2位は世界生産がホンダ、国内販売はスズキだ。3位は逆に世界がスズキで国内はホンダになる。4位は世界、国内ともに日産で、5位も両市場ともにダイハツ、6位も両市場ともにマツダ。7位は世界がスバルで国内は三菱、8位は世界が三菱で国内はスバルになる。
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このように世界販売台数と国内販売台数の順位は、おおむね似ているが、国内でスズキが2位に入っているのが目立つ。
また、ダイハツには注釈が必要だ。近年のダイハツは、認証不正問題による出荷停止で販売台数を下げていた。2023年に遡ると、ダイハツの国内販売台数はトヨタとスズキに次ぐ3位で、ホンダを上まわっていた。近年はダイハツの得意な軽自動車が売れ筋カテゴリーになるからだ。そして2023年におけるダイハツは、世界生産台数に占める国内販売台数の割合、つまり国内販売比率も37%と高かった。
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ほかのメーカーについても、国内販売比率が注目される。30%を上まわるのはダイハツのみで、20〜30%もスズキだけだ。そのほかのメーカーは、すべて10%台に留まる。とくに日産の15%、マツダと三菱の13%、スバルの12%は比率が低い。
15%以下の3メーカーに比べると、16%のトヨタと18%のホンダは、国内の新型車も活発に発売している。商品を積極的に投入すれば、当然のことだが売れ行きも増える。そのために、ダイハツを除くと、国内販売比率の高いメーカーは国内販売台数も多い。
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さらに興味深いのは、国内販売台数の多いトヨタ、スズキ、ホンダは、世界販売台数ランキングでも上位に入り、ほかのメーカーは低いことだ。国内市場で成功できないメーカーは、世界でも通用しにくくなっている。日本のユーザーを見据えて商品開発することは、メーカーとしての世界的な競争力を強化することにも繋がっているのだ。