運転中に眠気を感じたら「なる早で仮眠」だけが唯一の安全策! ただし「寝過ぎ」も逆効果! 研究による仮眠の「最適時間」とは? (2/2ページ)

効率のよい睡眠をとるワザ

<仮眠のタイミングと注意点>

 仮眠の効果を最大限に引き出すには、タイミングや環境にも配慮したい。まず、眠気を感じたら「早めに」休憩をとることが重要である。とくに昼過ぎは体内時計のリズムによって眠気が生じやすい時間帯である。先の『トラックドライバー睡眠マニュアル』でも「14~16時に眠気が強まる」と指摘されている。

 仮眠をとる際は、安全な場所にクルマを停め、シートをリクライニングさせてリラックスした姿勢で目を閉じる。ただし、高速道路上の場合、路肩であっても停車し仮眠を取ることは法律上認められていない。路肩での停車は緊急時以外禁止されており、違反した場合は道路交通法違反となり罰金が科される場合もある。また、追突事故のリスクも高く、極めて危険であるため絶対に避けるべき。その場合は、車内を換気し窓を開けて新鮮な空気を取り入れる、ガムやミントタブレットを噛むことで脳に刺激を与え、眠気を一時的に抑えるなどの対症療法を行うしかない。

 高速道路以外であれば、目を閉じて脳を休めるだけでも一定の効果がある。また、仮眠前にカフェインを摂取しておくと、約15〜20分後、ちょうど目覚めるころにカフェインの効果が現れやすく、よりすっきりと覚醒できる。

 一方、前述のように30分以上の仮眠は逆効果になる場合があるため、必ずアラームをセットし、20分前後で起きるように心がけたい。夜間や長距離運転の場合は、2時間以上のしっかりとした仮眠をとることで深い睡眠による疲労回復効果も期待できるが、通常の運転中の「眠気対策」としては20分仮眠が最適だ。

 このように運転中に眠気を感じたときは、無理をせず早めに20分前後の仮眠をとることが、科学的にももっとも効果的な方法である。できれば仮眠前にコーヒーや紅茶、エナジードリンクなどカフェインを含む飲み物を摂取しておくことが望ましい。眠気は脳からの危険信号。事故を未然に防ぐためにも、ぜひ積極的に「短時間仮眠」を活用してほしい。


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