「世界一安全」といわれる日本のタクシーでも犯罪リスクはある
日本のタクシーは安全といっても、前述のように運転士が乗客に危害を加えるということがまったくないわけではない。女性運転士が増えてきているとはいえ、まだスマホ上で指名乗車できるほどは増えていない。そのなかで、女性利用者はやはり犯罪に遭うリスクを男性より感じずにはいられないだろう。
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電話で配車要請を受けて、無線で配車するのがメインだった20年前ぐらいから、自宅に呼ぶといかがわしい運転士に自宅を覚えられるとして、自宅最寄りのコンビニなどにタクシーを呼ぶ女性も多かった。逆に、駅前から乗ったときは自宅近くのコンビニなどに降りるという女性も、すでにそのころからいたようだ。なかには、西口が自宅側出口なのに西口につけているタクシーの運転士はちょっと怖いとして、東口のタクシーにわざわざ乗る女性もいると聞いたことがある。
海外では、タクシー利用の際の犯罪遭遇確率が高いことからも無人タクシーの普及を積極的に進め、「安全な乗りもの」を目指しているという見方もできる。
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筆者が子どものころのタクシーやバス運転士といえば、職人気質で少々荒っぽいキャラクターで、「なんだか怖いなあ」と思っていたのを覚えている。しかし時代が変化するなかで、あえて「武闘派」なんて呼びたくなる気性の荒い雰囲気で、女性が一般的に苦手とするタイプの運転士はかなり少数派になっているように見える。
コロナ禍を経てからタクシー運転士となったひとが全体の半分ともいわれているいまでは、タクシー運転士のタイプもかなり変わってきている。経験や勘で博打的に稼ぐ時代から、スマホ配車やカーナビなど、デジタルツールを駆使した稼ぎかたへと変わってきていることも、タクシー運転士のタイプを変えているように見える。
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世界的に安全度としてはトップレベルといえるのだが、それでは乗客が運転士から犯罪に遭うことはまったくないのか? といわれれば、それは自信をもって答えることはできない。日本でも自動運転タクシーとならない限りは、より高度な安全性は保てないともいえるのだが、自動運転となったらなったで、また新たな犯罪がタクシーで発生するのではないかとも考えている。