そりゃ転売ヤーもはびこるワケだ! 最近登場した「限定車」17台の中古価格を調べたらやっぱり「プレ値」だらけだった (2/2ページ)

ほとんどのモデルはプレミア価格に

●トヨタ GRヤリス RZ“High performance・Sébastien Ogier Edition&トヨタ GRヤリス RZ“High performance・Kalle Rovanpera Edition

・発表日:2024年1月25日
・限定数:各100台
・当時の新車価格:845万円
・中古車の価格帯:898万~1570万円

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team所属選手として知られる、これまで8度のドライバーズタイトルを獲得したセバスチャン ・オジエ選手と、2022&2023年連続でドライバーズタイトルを獲得したカッレ ・ロバンペラ選手が監修したスペシャルなGRヤリス。このモデル専用となる4輪駆動の制御モードを新たに開発し、それぞれのモデルに独自のセッティングが与えられたマニアックな限定車です。

●トヨタ GR86 RZ “Ridge Green Limited”

・発表日:2024年7月12日
・限定数:200台
・当時の新車価格:389.7万〜399.5万円
・中古車の価格帯:掲載なし

 RZ “Ridge Green Limited”発表と同日にリリースされた一部改良の仕様を盛り込んだ限定車。ボディカラーは、新色となる「リッジグリーン」を採用し、専用となるブロンズカラーホイールや専用の刺繍が施された内装、ブラック&タンカラーのシート、ブレンボ製のベンチレーテッドディスクブレーキや、SACHS製アブソーバーを標準装備しています(ベース車はオプション)。

●レクサス LBX MORIZO RR “Bespoke Build”

・発表日:2024年7月18日
・限定数:100台
・当時の新車価格:720万円
・中古車の価格帯:878万円

※画像は通常のレクサス LBX MORIZO RR

 レクサス LBX “Bespoke Build”と同様に、内装色やシートの素材、ベルトの色やステッチなどをオーナーの好みで選べるオーダーメイドで注文できる限定車です。こちらはベース車がMORIZO RRであること、専用のアイテムとして、モリゾウのシグネチャーカラーである「イエロー」にペイントされたブレーキキャリパーを設定していることが挙げられます。

●スバル・レガシィアウトバック 30th Anniversary

・発表日:2024年10月24日
・限定数:200台
・当時の新車価格:389.7万〜399.5万円
・中古車の価格帯:掲載なし

「リミテッドEX」グレードをベースに、事実上のファイナルモデルとなった「30th Anniversary」。外装ではフロントグリル、ルーフレール、ドアミラーなどをブラックに統一し、内装はアイボリー✕ブラックナッパレザーの本革シートを採用。ドアトリムにも専用の刺繍が施されるほか、専用のリヤオーナメントを配するなど、アウトバック30周年を祝う装備が満載の限定車です。

●光岡 M55 ZeroEdition

・発表日:2024年11月21日
・限定数:100台
・当時の新車価格:808.5万円
・中古車の価格帯:掲載なし

 光岡創業55周年記念コンセプトモデル「M55 CONCEPT」の市販バージョンとして、同世代を生き抜いてきたユーザーをターゲットに販売された限定車です。専用装備として、リヤガラスルーバーやアルミホイール、「Zero Edition」刺繍入りとなる専用の本革シートを採用するなど、当時を知る人にとってはまさに「胸アツ」な仕立てが魅力なスペシャルモデルといえます。

●レクサス RC F “Final Edition”

・発表日:2024年11月21日
・限定数:200台
・当時の新車価格:1360万円
・中古車の価格帯:1450万円

 レクサス「RC」および「RC F」が生産を終了するにあたり設定されたスペシャルモデル。限定となるのは「RC F」のみです。高精度にチューニングされた5リッターV8エンジンを搭載するほか、ENKEI製の19インチアルミホイール、ブラック&フレアレッドをテーマに仕立てた内装、カーボン製のネームプレート、専用オープニング画面となる8インチTFT液晶式メーターなど、ファイナルモデルにふさわしいモデルとなっています。

●レクサス GX550 OVERTRAIL+

・発表日:2025年4月3日
・限定数:100台
・当時の新車価格:1235万円
・中古車の価格帯:1508万~1550万円

 レクサス GX550の国内販売開始時に設定された限定車です。外装は専用のデザインとなり、内外装カラーリングやシート表皮も専用品となります。また、オフロードとオンロードの走行を高次元で両立する「E-KDSS(Electronic-Kinetic Dynamic Suspension System)」を採用しています。

●まとめ:新車がダメなら中古車で手に入れることはできるが・・・…

 過去3年間に発売された限定車をピックアップして中古車相場を調べてみたところ、いずれも新車価格を上まわる「プレ値」で販売されていることがわかりました。

 本当に欲しい人が新車を手に入れることができず、プレ値を払ってでも中古車として手に入れている現状があるとしたら……かつて、とある限定車を買い逃した立場としても複雑な心境です。

 かといって、生産台数を極端に増やせば限定車としての価値も下がってしまいますし、悩ましいところです。

 たとえば限定100台のうち、ネット上で10台だけ「俺(私)はこの限定車が是が非でもほしい」といったプレゼンを行い、それを見たユーザーが「この人にオーナーになってほしい」と投票してもらうとか……? さまざまな「おとなの事情」があるにせよ、本気度が高い人に1台でも多く行き渡る方法があってもいいのではと、思えてなりません。


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松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
好きな有名人
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