この記事をまとめると
■ここ数年はインバウンドの影響もあり観光バスが予約でいっぱいだ
■バスの車内はゴミが散乱している光景が目立つ
■外国人視点では「掃除をしてくれる人がいるから問題ない」という認識が一般的だ
インバウンドのマナー問題
例年6月は修学旅行シーズンともなり、日本全国で貸切(観光)バスの需要がピークを迎える時期になっている。とはいえ近年、空前のペースで日本を訪れるインバウンド(訪日外国人観光客)も増え続け、通年でも貸切バスの需要が多いのだが、6月は前述のように、修学旅行など学校行事での需要もピークを迎えるので、バス自体が満車で手配できないということもあるようだ。
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動画配信サイトなどでは最近、迷惑系インフルエンサーなどをはじめとしたインバウンドも含む外国人が、日本国内で行っている迷惑行為の動画を見かけることが多い。街なかや電車内といったものが多いのだが、それでは貸切バスの車内でのインバウンドの様子はどうなのだろうか……? 関係者に話を聞く機会を得た。
まず複数の観光地をまわる際には、観光地に到着した際に次の目的地へ向かうための出発時間をバスガイドさんや添乗員さんが案内するのが一般的。しかし、インバウンド対象のツアーでは、集合時間を守らないことが多いとのことであった(日本人だから必ずしも守るというわけではないが、インバウンドは目立つようだ)。
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それでは車内での様子はどうかと聞くと、動画配信サイトにアップされているような迷惑行為というものはないし、常軌を逸して大騒ぎすることもないのだが、ゴミの問題には悩まされているとのことであった。
たとえば、通路や座席足もとにゴミを捨てるというのは当たり前のように行われるほか、前席シートバックに装着された網状のポケットもゴミ箱という認識があるのか、さまざまなゴミが多く入っていることが帰庫時には頻繁にあるようだ。そのようなゴミがお菓子の包装紙や飲み終わったペットボトルのようなものならまだいいのだが、食べかけのお菓子そのものや、さらにはチョコレートがそのままシートバックポケットに入っているといったこともあったとか。
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つまり、紙くずやブラスチック系のゴミだけではなく、生ゴミ系も車内に平気で捨てていくそうである。最近は歩道などでも、ガムを紙につつまずそのまま捨てて路面や床面にへばりついているという光景はそれほど見かけなくなったが(清掃員のみなさんの努力もあるだろう)、車内に平気でガムも吐きだしているのかそのまま床にこびりついていることもあるそうだ。
しかもこの傾向は、アジア系、欧米系などを問わず、インバウンドに共通したものだということであった。
サッカーのワールドカップなどで、試合後に日本人サポーターが自分たちのいた観客席を自ら掃除していることに賞賛の声が世界から挙がるが、だからといって自分たちが同じことをするわけではない。海外では、「会場を清掃する仕事に従事しているひとがいるのだから余計なことはしない」といった考え方が一般的なようだ。ある意味でワークシェアリングが進んでいるとも表現できるのだが……。
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