この記事をまとめると
■魚を生きたまま運ぶためのトラック、活魚運搬車(活魚車)
■道路運送車両法において特殊用途自動車に分類されている車両だ
■活魚運搬車の仕組みや新車・中古車で買う際の価格について解説
水槽のなかは海中と同じ環境に整えられている
海で捕れた新鮮な魚を生きたまま運ぶための専用トラック、それが「活魚運搬車(活魚車)」だ。
荷台に大きな箱(水槽)を乗せており、水槽の種類によっては横に小さなのぞき窓がある。水槽のなかは仕切りがあり海中と同じ環境に整えられているため、カンパチやヒラメなどの魚のほか、ホタテなどの貝類も運搬が可能となっている。汲み上げた海水を水槽に入れ、そこに酸素を供給する仕組みであり、大型車の場合水槽ひとつの積載量は3トン、トータル18トンほどにもなる。
活魚運搬車画像はこちら
活魚運搬車は道路運送車両法において特殊用途自動車に分類されている車両で、レッカー車や救急車などと同じカテゴリーだ。
活魚運搬車の水槽部分は、FRPと断熱性を合わせた合成素材が使われ、水温が外気の影響を受けにくいつくりになっている。また、運搬物が海中の生き物であるため、普通のトラックにはない酸素供給装置、ろ過装置、水温や水流の調整機能が備わっており、細かく制御できるようになっている。水槽用の発電機やクーラー、酸素流入用装置なども活魚運搬車ならではの装置だろう。
活魚運搬車画像はこちら
もちろんこうした機能の稼働状況を把握するために、水温計付き警報機、クーラーモニター、水槽用監視カメラなどで水槽を管理、監視している。
このような活魚運搬車だが、ボディと水槽が一体化したタイプと平ボディの荷台にコンテナやタンクを積みこむタイプの2種類があり、それぞれ特徴が違ってくる。ボディと水槽が一体化したタイプは、活魚の運搬に特化した車体なので高出力の水温調整機等の高機能の専用装備が備わっているうえ、積載量が多く一度に多くの魚を運搬できる。一方で荷台にコンテナやタンクを積みこむタイプは、目的に応じて荷台の装備を自由に変更できるのが特徴だ。