そりゃ地球50周ぶんも走れば壊れるって! 乗用車とは違うトラックのよくある故障場所 (2/2ページ)

パワーゲートが壊れてしまうことも

 最後にトラック特有の装置が故障することは一般的にはあまり知られていない。それが「パワーゲートの故障」だ。

 パワーゲートが故障すると、荷物の荷降ろし時にリフトが上下降しなくなるため、荷物の上げ下ろしができなくなる。最悪は人力で手作業となるため、効率が落ちて仕事にならなくなってしまう。

 荷物の上げ降ろしができなくなるのは困りものだが、それより作業中に突然パワーゲートが突然故障すると事故や怪我に繋がる可能性もあるため、避けたいトラブルであることは確かだろう。

 パワーゲートの故障は経年劣化によるオイル漏れやスイッチの故障、配線の断裂、モーターの損傷などが考えられるが、これも操作時の異音やガタツキ、昇降時のひっかかりなどで気が付くことができる可能性は高い。

 トラックの代表的な故障部分である「エンジン」「ミッション」「パワーゲート」のほかにも、排ガスを浄化するための装置であるDPFの故障などもトラック特有の故障事例のひとつとして知られている。

 そのDPFの故障は目詰まりが原因であることが多いが、それは「軽油の燃焼で発生するスス」「エンジンオイルに含まれている金属分」「エンジンオイルに由来する金属分とカーボン」によって引き起こされる。

 DPFが故障すると、フィルター機能が低下し、動浄化機能がうまく作用しなくなるため、人体への影響と大気汚染につながってしまう。それだけでなく、DPFの故障、修理時は小型トラックでも部品交換代だけ30万~40万円ほど。10トントラックだと工賃を含め100万円と高額になってしまうケースも多いのだ。

 普通では考えられないほどの距離を日夜走り続けるトラックだけに、メカニカルトラブルだけ避けたいというのがドライバーの本音かもしれない。


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