アメ車に相応しい広々とした車内
とはいえ、筆者も2代目モデルに試乗したことがあるのだが、全車左ハンドルで2列目ベンチシートの8人乗りとなるLS、2列目キャプテンシートの7人乗りの豪華版のLTがあり、前席の高さ、2列目席のシートのソファ感覚のかけ心地のよさ、そしてなんといっても3列目席の2列目席と変わらない居住感覚に驚かされたものだった。しかも、3列目席へは2列目席ウォークインといった無理やりな乗車方法ではなく、車幅の広さを生かし、そのまま乗り降りできる便利ささえあったのである。もっとも、後席の乗車は右側のスライドドアからのみだが……。
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その上で、ラゲッジルームもしっかりと確保されているのである。もともと商用車だけに、そのあたりのパッケージ、実用性は見事というしかない。
筆者が乗ったのは、確かV6モデルだったはずだが、アクセルの踏み始めから強大なトルクが沸き上がり、巨体ながら走りやすさ、乗りやすさは”車幅の広さを除けば”なかなかだったのだ。乗り心地にしても大陸横断をラクラクこなせるふんわりとした、これぞアメリカンな快適感があり、けっこう静か。それでいてカーブで不用意にグラグラしない素直な操縦性、安定感があるのだから、アメ車好きの人にとっては文句なし、運転していても楽しい、オラオラ系多人数乗用車(商用車!?)だったというわけだ。最近、チョイ乗りしたVWのID.Buzzもそうだったけれど、鼻先が短いため、想像するよりちょっぴり扱いやすかった記憶もある。
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もちろん、新車は2005年の生産終了以降、買うことはできないが、中古車販売サイトで確認すると、全国に2代目の4.3リッターV6モデルが100台ぐらいはある模様。価格は200万円台が中心だ。なかには三井物産が輸入した、豪華さ極まるクルーザーのようなインテリアを備え、車中泊も可能なスタークラフト ブロアム、そしてレストアのベース車として販売されている個体もある。最後に燃費性能だが、アストロユーザーの報告によれば6~7km/Lは走るとされている。もちろん、今手に入れた中古車がその燃費性能を発揮してくれるかは、保証できないが……。
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しかしながら、ミニバンとして、今でも街なかで、高速道路で、アウトドアフィールドで最強の存在感を示してくれる1台であることは間違いないところだろう。トヨタ・ヴェルファイアでも満足できない超オラオラ系を望むミニバンユーザーにはぴったりかも知れない。
芸能人では木村拓哉さんがサーフィン用として乗っている(いた)そうだが、つい最近、タレントの小森 純さんの元モデルの夫、今井さんが1993年式のアストロEXTを家族に無断で購入したところ、お子さんたちには好評ながら、小森純さんに初見で「ものすごい嫌だ」「超ダセー」といわれたとかなんとか(笑)。とはいえ、それをきっかけにシボレー・アストロが再び、バズるかも!?