この記事をまとめると
■緊急走行をしていなければパトカーを追い越してしまっても問題ない
■パトカーを追い越したらすみやかに走行車線に戻ること
■パトカーを追い越すときは制限速度の範囲内で抜いていくこと
パトカーは制限速度内なら追い越してOK
高速道路をドライブしていると、ときどき赤色灯が点いていないパトカーに追いついてしまうことがある。この場合、赤色灯を点けず、サイレンも鳴らしていないパトカーは、緊急車両の条件を満たしていないので、一般車両と同じ扱い。当然、制限速度の範囲内で走行する必要があるので、実勢速度よりもかなりゆっくり走っていることになる。
こうしたゆっくり走っているパトカーに追いついてしまったらできれば追い越したいところだが、実際はきちんと交通ルールを守っていたとしても、パトカーを見るとアクセルをゆるめてしまう人も多いはず。
高速道路を走行しているパトカー画像はこちら
このような場面で、パトカーを追い越していっても問題ないのだろうか? 結論からいうと、合法的に抜いていくことは十分可能だ。留意点は次の二点。
まず、追い越し前は走行車線を走っていて、パトカーに追いついたら(車間距離を詰め過ぎないように注意)きちんとウインカーを出し、追い越し車線に出て加速をする。そして追い越しが終了したら、すみやかに走行車線に戻ること。
ふたつ目は、制限速度の範囲内で抜いていくこと。これがなかなか難しく、通常、パトカーは制限速度をやや下まわる速度で走っている。
クルマのメーター標示画像はこちら
たとえば制限速度が100km/hの区間であれば、90~95km/hのペースが多い。そのパトカーを抜くために、追い越し車線に出たのはいいものの、ビビりすぎて厳密に制限速度を守りながら抜こうとすると、追い越し車線のダラダラ走行=「通行帯違反」の対象になってしまう可能性もある(追い越し車線での走行は、2km以内が目安)。それを避けるには、追い越し車線に出たあと、制限速度の110%程度まで加速し、パトカーを追い越し、追い越しが終了したら、速やかに走行車線に戻ればOK。
110%の速度でも、違反は違反なのでは? と思うかもしれないが、クルマのスピードメーターの表示速度は、はじめから90~106%の誤差が認められて(車検時の基準=40km/h)、メーター読みで100km/hなら、実測は92~94km/hになるのが普通なので、メーター上の数字の110%ぐらいまでの速度なら、検挙されることはまず考えられない。心配ならば、Googlemapsなどを併用すると、GPSで実測の車速も表示されるので、それで確認を。
さらに、パトカーによる速度違反の計測は、同一車線の追尾か、車載レーダー併用が基本なので、走っている車線が違えば、速度を計測される心配はほとんどない(パトカー=走行車線、自車=追い越し車線なら大丈夫)。
走行車線を走っているパトカー画像はこちら
というわけで、上記の条件さえクリアすれば、パトカーだって遠慮なく追い越していって構わないわけだが、合法とはいえ、パトカーを追い越すのはドキドキするし、精神的にもよくないと思う人は、追い越しをしない選択もありだろう。
近くのSA・PAにでも入って一服し、パトカーのいないスペースに戻って、快適なドライブを続ければいい。
ただし、パトカーが視界に入っていてもいなくても、安全速度をキープするのは基本中の基本だ。