この記事をまとめると
■2025暦年締め上半期の新車累計販売台数が発表された
■2025年1月から6月でもっとも売れたクルマはホンダN-BOXとなった
■トップ10内に総合ランキングで4車をランクインさせるトヨタ一強状態が続いている
2025年上半期にもっとも売れた新車はホンダN-BOX
2025年6月単月の車名(通称名)別新車販売台数が発表されると、2025暦年締め(2025年1月から12月)での上半期(2025年1月から6月)締めでの累計新車販売台数も発表となる。さっそく登録車は自販連(日本自動車販売協会連合会)、軽自動車は全軽自協(全国軽自動車協会連合会)から発表された2025暦年締め上半期における車名(通称名)別での累計販売台数について、登録車と軽自動車を合算させたランキングを作成した。
2025暦年締め上半期にてもっとも売れた新車は、すでにメーカーからもリリースが発信されているが、ホンダN-BOXで、10万3435台を販売してトップとなった。なお、N-BOXは2022暦年締めでの年間新車販売台数から、軽自動車のみだけではなく、登録車を含めた総合ランキングでも2024暦年締めまで1位となっており、2025暦年締め上半期においても軽自動車のみだけではなく、総合ランキングでも1位となっている。
2025暦年締め上半期の新車累計販売台数で1位となったホンダN-BOX画像はこちら
「N-BOXはよく売れているなあ」と感心ばかりもしていられない。N-BOX自体は前年同期比(2024暦年締め上半期)102.7%と微増になっているが、ほかのホンダの売れ筋モデルの状況が元気がないのである。
2024年3月末より正式発売となったWR-Vは、前年同期時点では事実上3カ月の販売実績のみだったので、今期は前年同期比で157.0%となっているが、2025年6月単月と2024年6月単月を比較すると76.4%と失速傾向が目立っている。本稿執筆時点ではすべてのグレードが発売されているが、2025年3月の一部改良から直近までは販売可能なグレードが絞られていたことを考慮しても、少々元気がないように見える。
ホンダWR-Vのフロントスタイリング画像はこちら
N-BOXカスタム並みの予算で買える廉価グレードのXの人気が高かったが、デビューからしばらくすると、結果として軽自動車で維持費も安いということでN-BOXへ流れる傾向が目立ってしまったようだ。4WDやハイブリッドを用意していないので、そのような仕様を希望するひとはヴェゼルへ誘導していたようだが、そのヴェゼルも2025暦年締め上半期新車販売台数は前年同期比で70.1%となっている。
ステップワゴンもライバルのトヨタ・ノア&ヴォクシーが2年近く原則新規受注停止となっているのに、前年同期比で82.6%となってしまっている。フリードが健闘しているものの、シエンタが7000台ほど上まわってしまいリードを許している。結論として、ホンダの国内販売ではN-BOX依存度の高さが続いており、その悪影響ともいえる状況がほかのホンダ車に及んでいるのである。
ホンダ・ステップワゴンのフロントスタイリング画像はこちら
「日本で一番売れていますよ」というのは販売促進、とくに軽自動車では見た目以外はライバルと大きな変化がないのでキラーワードとなり、それがN-BOXを「日本一売れているクルマ」とさせている原動力となるのだが、その犠牲はけっして小さくないように見える。
総合ランキングで10万台強売ってトップとなったN-BOXと、約4.5万台売って12位となっているものの廉価グレードでも600万円はするアルファード、どちらがおいしい商売(利幅が大きい)なのかは一目瞭然といってもいいだろう。