「トラックください」「ご一緒にポルシェはいかがですか?」 まさかのお宝ポルシェ6台積みのトレーラーがオークションに出た (1/2ページ)

この記事をまとめると

■6台のポルシェ911とそれを一度に運べるMANトラックがセットでオークションされた

ポルシェ911はいずれも新車同然のコンディションのレアなモデルばかり

■トラックはMAN TGX18.640と6台積載のROLFO AURIGAの組み合わせ

トランスポーターもセットになったオークション

 抱き合わせ販売、などというと公取委が目くじらを立てそうですが、911のGTモデル6台と、それを一気に運搬できるトレーラーをセット販売となったらどうでしょう。ひとりのコレクターが夢を実現した究極のポルシェコレクションは、ほとんど新車のようなコンディション。しかも、6台をセットで運べるようにトレーラーもまた新車で購入という徹底ぶり。ポルシェファンならずとも、驚きと垂涎のストーリーをご紹介しましょう。

 まるでシュツットガルトの工場から出てきたばかりのMANトラックと6台のポルシェ。これはオーストリアのさるコレクターが若いころの夢を実現したもので、991世代のなかでも珠玉と呼ばれるモデルばかりを揃えています。さらに驚くべきことは、6台いずれもが新車、あるいはほぼ新車に近い走行距離、コンディション(なかには工場出荷時ともいえるオドメーターが20kmというモデルも)を保っていること。トレーラーに積まれた911軍団を見ただけでは「どこかのディーラーが運搬してる?」と思われても仕方ありませんが、あくまで一介のコレクターが実現したというのが心動かされるポイント。そして、コレクションに加えられた911は、いずれも胸アツなモデルばかりです。

2016 ポルシェ 911 R(991.1)

 コレクションのなかで唯一の991.1世代の911となる911 Rは、991台の限定生産モデル。そのうち698番目のこちらはグランプリヴァイスにレッドのダブルフラッシュというレーシング911の伝統的なカラーリングが施された1台。シングルマスフライホイール、カーボンセラミックブレーキといったサーキット向けオプションのほか、918スパイダースタイルのバケットシート、ボーズ製スピーカー付きナビといった普段使いも難なくこなすパッケージとなっています。

 走行距離は50kmほどながら、2023年にはウィーンのポルシェディーラーでオイルとブレーキフルードの交換、新しいバッテリーと6つの新しいスパークプラグの装着がなされるなど、コンディションは万全。すぐさまサーキットだろうと、ワインディングだろうと駆け抜けられること請け合いです。

2018 ポルシェ 911 GT3 (991.2)

 インディアンレッドのGT3は人気のクラブスポーツパッケージ。すなわち、セラミックブレーキを筆頭にバイキセノンヘッドライト、90リッタータンク、ヘッドライトクリーニングシステム、ガーズレッドのシートベルト、ホワイトのインストルメントダイヤルといった内容で、ガチなレーサーよりは扱いやすそうな印象。

 こちらも走行距離は50km未満ながら、オイルとブレーキフルードの交換、新しいスパークプラグの取り付け、新しいバッテリーの装着といったメンテナンスが施されています。どんだけ神経質なんだ、というほどの内容ですが、ポルシェマニアにとってはあるあるかもしれませんね。

2018 ポルシェ 911 GT3 ツーリング (991.2)

 こちらは走行距離20km未満というガチな新車で、ややソフトなパッケージのGT3。とはいえGTの名にふさわしく、カーボンセラミックブレーキ、エクステンデッドレザーインテリア、90リッタータンク、スポーツクロノパッケージ、918スパイダースタイルのバケットシート、そしてボーズサウンドシステムとほぼほぼ全部載せ! また、ソリッドのブラックボディに、ブラックのインテリアというのは、911の役物ではお約束のコーディネートに違いありません。

 新車状態に近いとはいえ、こちらも2023年にはオイル、ブレーキフルード、そしてプラグまでが新品に交換され、すぐさま乗り出せる状態にされています。


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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