トヨタのアルミテープにホンダアクセスのギザギザエアロ! みんな効果があるっていうけどマジ? なんで効くの? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■一見効果が疑わしい感じがするもメーカーが真剣に研究開発したアイテムがある

■トヨタのアルミテープはボディの静電気を放電することでクルマの走りが変わる

■ホンダアクセスのシェブロンは渦を発生させて意図的に空気の流れをコントロールする

メーカーが真剣に研究開発した一風変わったおもしろアイテム

 クルマのアフターパーツ市場には、効果が疑わしいアイテムが数多く存在する。しかし、そのなかには大手メーカーが真剣に開発し、実際に効果が確認されているものもある。トヨタが純正アクセサリーとして販売している「アルミテープ」やホンダアクセスが開発した「シェブロン」がまさにそれだ。

 これらのアイテムは、見た目からは到底その効果を想像できない。アルミテープはただのテープにしか見えないし、シェブロンは小さな突起物でしかない。どちらもSNSやネット記事で「オカルトパーツ」「プラシーボ効果では?」といった懐疑的な声も少なくない。しかし、なにより興味深いのは、こうしたアイテムが決して曖昧な理屈やオカルト的な発想から生まれていない点にある。実際には、クルマ開発におけるエンジニアリング思考と物理法則に基づいており、両者とも空気の流れや静電気といった目に見えない現象を制御することで、クルマの走行性能に影響を与えているのだ。

トヨタのアルミテープは静電気を逃がして空力性能を改善

 トヨタが2016年から純正アクセサリーとして販売を開始したアルミテープは、一見するとただの金属テープだ。価格も数千円程度と安価で、これで走りが変わるなどと言われてもにわかには信じがたい。しかし、このアルミテープには確かな理論的背景が存在し、特許も取得している。

 クルマが走行すると、空気との摩擦によって車体に静電気が発生する。車体の樹脂部品、とくにバンパーやエアロパーツ、ドアミラーなどは高速走行時に空気と擦れ合うことで強い静電気を帯びる。帯電した車体表面では、空気の剥離が早くなり、乱流が発生しやすくなる。これが局所的な空気の乱れや、空力挙動への悪影響、さらにはステアリングフィールや直進安定性にまで間接的な影響を及ぼす可能性があると、トヨタは分析している。

 アルミテープは、この静電気を効率的に放電させる役割を果たす。アルミニウムは導電性が高く、テープの特殊な構造により、車体に蓄積された静電気を空気中に逃がすことができる。これにより車体表面での空気の流れがスムースになり、空気抵抗が減少するという。

 実際に、開発段階でコース試験やサーキット、一般道で比較テストが行なわれている。ある一定条件下、とくに高速道路走行時や強風下、細かなステアリング操作時の応答性に変化が見られたと、複数のテスターやエンジニアが報告している。体感できない場合もあるが、試乗会やオーナーからは「直進安定性が増した」「荒れた路面でのピッチングが落ち着いた」「なんとなくクルマがスムース」といった声が多く挙がる。とくに最新のEVやハイブリッド車など、樹脂外装パーツの多いモデルではその効果がより感じやすいという見解もある。また、トヨタの公式データでは、燃費改善効果も確認されており、実際に1%程度の向上が報告されている。


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