ほとんどの商用車がEVになれば街は静かになる
日系トラックメーカーでも、すでにICE宅配トラックとして活躍している、いすゞエルフや日野デュトロ、三菱キャンターにはBEV仕様がラインアップされ活躍している。とくにいすゞではエルフのなかでも、普通免許で運転できる「エルフミオ」にもBEVがラインアップされ、すでに配送業務で活躍している。
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ただし、ハイエースクラス、もしくはそれ以下のライトバンとなると、日系メーカーでは前出のミニキャブEVぐらいしか存在せず、おもに中華系車両がすでに走り出している。
BEV普及の背景にICE車の騒音問題もあると前述したが、2025年4月に中国上海を訪れると、タクシーはかなりの割合でBEVとなり、小型商用車はほぼBEVとなり、路線バスもBEVもしくはPHEV(ほとんどモーター走行していた)となっていた。乗用車も確かに目に見えてBEVが多いが、思っていたよりはICE車も目立っていた。
すべての車両を電動化しなくても、バスやタクシー、そしてラストワンマイルとも呼べる宅配向け商用車がほとんどBEVとなると、街なかはかなり静かになることは間違いないと上海で強く感じた。
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乗用車はともかくとして、はたらくクルマの電動化は世界的にもさらに進んで行くことは間違いなく、そこの部分では日本メーカーもかなり健闘しているように見えるが、ライトバンと呼ばれるクラスが手薄に見えるところが気になっている。街なかを走るプロボックスは意外なほどHEVが多い(導入時の価格差は導入後の燃料費節約で十分効果が得られると判断する企業が多いようだ)。モデルチェンジや改良が進みBEVとまでいかなくとも、HEVさえ増えれば外資商用BEVに対しては勝算があるのではないかとも考えている。