この記事をまとめると
■タクシー車内での体臭や香水などニオイに関する不快感は「スメハラ」とされる
■禁煙化や空気清浄機の普及で「悪臭」は減るも「いい香り」が逆に問題に
■業界団体による車内のニオイに関するガイドライン策定が求められているのかもしれない
悪臭のみならず「いい香り」が問題視される場合も
最近タクシーに乗っていて気になるのが、「車内のニオイ」である。いまどきは「スメハラ(スメルハラスメント)」などともいわれるようになり、タクシー車内に限らずオフィスなどでもニオイについてのハラスメント、つまりニオイに由来して周囲に不快感を与えてしまうことがスメハラといわれている。
スメハラというと、筆者もお年ごろで気になっている加齢臭や口臭など、文字にするだけでも不快に思うひともいるものから、香水やコロン、洗濯に使う柔軟剤など該当するスメハラの原因は多岐にわたっている。
タクシーでは「隔日勤務」という、朝車庫を出たら翌日未明に車庫に帰ってくるといったような、長時間乗務するシフトが一般的となっている。それもあるのか、タクシーに乗った時に、たまに体臭の気になる運転士さんに遭遇したりすると、「そろそろ車庫に帰るのかなあ」などと筆者は考えたりしてしまう。体臭が気になるからといって安易にコロンなどを身体にふりまくと、今度はそのコロンなどのニオイで乗客とトラブルになりかねない。
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車内という限られた空間なので、ニオイも充満しやすいので、無香性や微香性のものを使うか、ワイシャツなど衣服をひんぱんに着替えるなど、運転士のなかには気を使っているひとも多いようである。
過去には「男の職場」でもあり、車内でタバコもガンガン吸うことができたので、タクシーに関するニオイの問題といえば「悪臭」に分類されるものが多かった。筆者などはタクシーに限らず新車の香りが大好きであるし、タクシーでは使い込んでいくなかでタバコのニオイなども染みついたなんともいえないニオイも「好物」の部類に入っていた。
車内でタバコを吸っているイメージ画像はこちら
そして時は車内完全禁煙となり、空気清浄機などの普及も進み、タクシー車内のニオイ問題は収束を迎えていたように見えた。ところが今度はクルマ向け芳香剤や、おもに女性運転士であるが、香水や化粧品といった「いい香り」が気になるようになってきた(男性なら、オジサンが好む昔ながらの整髪剤などのニオイなど)。
悪臭を放置するのは問題ありと考えるひとは多いだろうが、それでは「いい香りを」となっても、それを不快に思うひとも世間にはいる。ニオイに関する好みや考えかたは千差万別であり、これだという解決策はない。短時間利用なのでいちいち目くじらたててニオイについて文句を述べるつもりもないが、やはり男女を問わず強いニオイを抑えた芳香剤や香水、化粧品を使ってほしいと個人的には考えている。
車内でコロンを使用しているイメージ画像はこちら
タクシー業界では急速に運転士の世代交代が進み、運転士の多様化が進んでいる。そのなかで、車内に芳香剤を置いたり、身だしなみとして香水やコロンを使うなど、運転士個々で工夫して乗客へのサービスへ努めようとしている気もちもわかるが、監督官庁の国土交通省とまではいかないまでも業界団体で車内のニオイに関するガイドラインを定める時期にきているのかもしれない。