ボディの剛性アップも忘れずに
バランス取り
エンジン内部のパーツであるピストンやコンロッドなどの重さを揃える作業や、クランクシャフトの回転バランスを調整する作業のこと。ピストンやコンロッドは同じように作られているが数gの重さの差はあるもの。そこでピストン裏面やコンロッド側面などを微妙に削ることで重さを合わせていくことで、エンジンがスムースにまわるというもの。
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また、クランクシャフトは微妙に重量バランスが取れていないことがある。それを調整することでよりスムースにエンジンがまわるという。
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せっかくエンジンチューンやオーバーホールをするならバランス取りや重量合わせをしようと、時間をかけて作業をしているチューナーも多い。
だが、それをやらなければエンジンが壊れるかというとそんなことはないし、やったら絶対パワーが出るかといわれるとそうともいい切れない。やらないよりはやったほうがいい、という要素だが、そういった積み重ねが速いエンジンを生み出してきたともいえるので、どうせエンジンを開けるならやっておきたい。
スポット増し
クルマのボディはもともとは平たい鉄板からできている。それらを切り出してプレスして、各パーツにする。
そのパーツを重ねてギュッと大きな力で挟み込みながら局所的に高圧電流を流す。すると雷のように電気が流れた部分の鉄板が溶けてくっつく。これがスポット溶接。
ボディは各パーツを重ねて数千箇所にスポット溶接をして組み立てられている。スポット溶接には間隔があり、たとえばドアまわりであれば4~5cm間隔でスポット溶接がされている。そのスポット溶接の間にあとからさらにスポット溶接を追加してボディ剛性をアップさせるのがスポット増しと呼ばれるチューニングのこと。
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スポット溶接の間の鉄板は重ねられているだけで溶接はされていない。そこにスポット溶接を追加することで接合点が増え、ボディ剛性が上がるというわけなのだ。
補強バーを入れたり、ガゼットを追加するボディ補強に比べて重くならないのが利点で、重量増をせずにボディ剛性のアップが可能。
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その代わりにスポット増しをする部分の塗装を剥いで、スポット溶接後にはサビ止めと塗装が必要など手間もかかる。だが、レーシングカーでは数千発追加したとか、そういった話も多い。チューニングではドアまわりだけとか、一部にスポット増しをすることでリーズナブルにハンドリングをよくするチューンを提供しているお店もある。