【試乗】プジョーらしさ全開! 「おしゃれ」「スポーティ」に好燃費まで加わった無敵のSUVプジョー3008がイイ!! (2/2ページ)

マイルドな乗り心地と柔軟なハンドリングがプジョーらしい

 後席はエクステリアデザインから想像するよりずっと快適な空間に仕上がっている、足もとスペースは先代と同等、ヘッドクリアランスはいつものハンドスケールを用いてみたら、新型のほうが5cm分くらい余裕があるのには驚かされた。フロアもほぼフラットなので車内移動もしやすいだろう。

 ラゲッジ容量の通常モードは先代と同等の520リットル。さらに後席が3:2:3で倒すことができ最大で1480リットルまで拡げられる。マルチボードを使ったラゲッジフロアの2段調整も先代から変わらない。ちなみにフロアボードを上げた状態で固定できる“小ワザ”がとてもスマートで便利。詳細はディーラーに確認してほしい。

 かなりデザインの紹介に力が入ってしまった新型3008だが、走行性能も進化している。試乗開始から抱いた滑らか(しっかりしているが硬くはない)な乗り心地の印象は一般道~高速を走り帰着するまで変わらず、シーンによってサスペンションが秀逸なお仕事をしてくれているようだ。

 高速走行やジャンクションのカーブでは足もとをしっかりと支え、車体は安定感をキープ。フランスの路地を想像しながら元町商店街の石畳も走ってみたが期待どおり。アスファルトに戻ると、3008はより静かに滑らかに横浜の街をクルーズするように走った。ミシュランeプライマシー(前後225/55R/19)も剛性の高さを感じつつ石畳でも段差でもゴツゴツしすぎず、あたりはマイルド。よいシューズを履いている。

 ボディはパシッと足もとは柔軟。新開発のSTLA-MediumプラットフォームはC/Dセグメント向けに開発され、フル電動車のような重量のモデルにも採用される。クルマによって適材適所は変わるだろうけれど、剛性は高められているのは間違いない。そこで乗り心地を邪魔しないしっかりと、しかし柔軟なハンドリングをもつ3008が誕生していた。

 シトロエン、DS、プジョーと走りのキャラも異なるフランスの3ブランドのなかでもスポーティな走りといったらプジョー。最新のプラットフォームを得て開発者はさぞ「プジョーらしい」走りをチューニングするのが楽しかったのではないか、と勝手に想像する。

 適度な操舵フィールを与えてくれる3008の小径ステアリングは肩幅の狭い女性にも扱いやすく運転操作が楽しめるはず。ちなみに今回、運転席にはサイドボルスターが採用されていてより多様な体型をサポートしやすくなっている。

 動力は速さより実用トルクの頼もしさと扱いやすさが印象的だった。新開発1.2リッター直3ガソリンターボエンジンと電動モーターを内蔵する6速デュアルクラッチ式トランスミッションを組み合わせた48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載する3008。街なかではモーターアシストにより約30km/hまでEV走行が可能。加速もモーターのアシストのおかげで速やかで滑らか。これに前述の足さばきがシナジーを発揮しライオン(プジョー)流3008的な走りの滑らかさは生まれている。高速道路では加速の伸びこそ控えめながら、一方でモーターアシストも相まってエンジンの実用トルクの活きた扱いやすさと頼もしさは十分にもち合わせている。

 そんな動力性能をもつ3008マイルドハイブリッド車のWLTCモードは19.4Km/L。プジョーといえば上質かつ低燃費のディーゼルエンジンが名残惜しいが、新ユニットの燃費性能も十分ではないか。ちなみにこの燃費により、3008は輸入車CセグメントSUVで唯一、環境性能割1%対象になるという。

 次世代のフラッグシップモデルと位置づけるだけあって最新のプジョーの魅力を隅々まで味わうことができそうな新型3008。ガレージのなかでも絵になりそうなスタイリッシュなモデルだけど(最近、マンションの地下駐にプジョーが増殖中なのでこの印象は実感がこもってます)、走りも魅力のライオンさんは連れ出してこそ乗る人もクルマもイキイキ! 新型3008は要注目です!


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