大変すぎる消臭作業だが完璧にニオイが消えるかというと……
そこで次に行ったのが、車内の大清掃。すべてのウインドウを開け放った状態で、フロアマットは外に出して洗剤で丸洗いして陰干ししておき、インパネ、ドア内張り、天井、コンソールなどはルームクリーナーを付けたタオルで(クルマのインテリア用のウェットシートクリーナーでもOK)、ウインドウ内側はくまなくガラスクリーナーで拭き上げる。
芳香剤臭がエアコンの風に乗って拡散するのを防ぐため、エアコン吹き出し口のクリーニング、そしてニオイの温床であるシートは掃除機をかけた上でシート専用泡クリーナーとブラシでブラッシング洗い。フロアカーペットも掃除機がけを行ったあと、カーペット専用泡クリーナーをまんべんなくスプレーして乾燥……という工程を丸1日かけて行ったのだった。その後の走行のエアコンはもちろん、外気導入である。
掃除機でフロアカーペットを清掃するようす画像はこちら
で、車内の芳香剤臭が完全に消えたかといえば、苦労の割には消し去れなかった。当時は春先でエアコンの使いはじめの時期だったのだが、エアコンを使うと芳香剤臭が再拡散するようで、思い切ってエアコンのフィルターを交換。
もっとも、エアコン内部にまで入り込んだ芳香剤臭はフィルターだけでなく、ファン、エバポレーターなどの風の通り道にまでホコリなどとともに入り込んで吸着している。素人ではエアコン内部の洗いは不可能ゆえ芳香剤臭は完全に消せず、和らいだという消臭レベルが精いっぱいだった。もちろん、プロの業者にまかせれば素人がやるより効果的だが、費用は決して安くない。
エアコンフィルター交換のイメージ画像はこちら
そんな教訓からすれば、すでに芳香剤臭むんむんの中古車を買ってしまった人は時間をかけてがんばって消臭作業を繰り返してもらうしかない。が、そもそも中古車を買う際、内外装、走行性能にかかわる部分や装備、走行距離や保証内容だけではなく、車内のニオイについても厳しく鼻を利かせてチェックし、限りなく無臭の中古車を買うのが、その後の苦労をせずに済むという点でお薦めということになる。
で、筆者が購入した芳香剤臭むんむんの中古車が脱臭作業を行ったあと、どうなったかって? 数カ月でエアコンが壊れたため、窓を開けて走るしかなくなり、半年後に手放すころにやっと芳香剤臭が気にならなくなった、というオチである。というように、強烈な芳香剤のニオイを除去するのは極めて大変。簡単ではないということだ。