この記事をまとめると
■GIIAS2025では自動車メーカー各社が旧車を展示していた
■来場者の多くが足を止めて注目していた
■自動車工場を多く抱えるインドネシアの自信を感じ取れる演出であった
インドネシアでも旧車が注目の的に
本稿執筆時点ではまもなくインドネシアの独立記念日(8月17日)が迫っている。インドネシアは1945年8月15日に太平洋戦争中にインドネシアを占領していた日本が連合国へ全面降伏した直後に独立を宣言した(しかし日本が占領する以前に植民地にしていたオランダが再び植民地化しようとし1949年まで独立戦争を行なっていた)。
筆者は2025年7月下旬に、GIIAS2025(ガイキンド・インドネシア国際オートショー2025)取材のためインドネシアの首都ジャカルタ及びジャカルタ首都圏を訪れたのだが、街なかでは独立記念日を祝う飾りなどを販売する商店がにぎわっていた。1945年8月17日に独立を宣言しているので、2025年は独立80周年となる記念すべき年となっていることもあるだろう。
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筆者がインドネシアの自動車ショーに初めて出かけたのは15年ほど前になる。当時すでに東南アジア地域での自動車生産拠点として注目されていた。
そんなことを思いながら、GIIAS2025の会場内を歩いていると、“旧車”を展示するメーカーが目立っていた。
まず、トヨタブースでは2代目カローラと、初代キジャンが展示されていた。キジャンは1977年にインドネシア市場向けに初代モデルの生産と販売が開始され、いまでもインドネシアでは“キジャン・イノーバ・シリーズ”として後継モデルがラインアップされており、なかでもキジャン・イノーバ・ゼニクスは“イノーバ・ゼニクス”として、東南アジア各国やインドなどでも販売され人気を博している。
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日本では初代カローラが1966年にデビューしているが、インドネシアでのカローラの歴史は2代目からとなっている。カローラ(セダン)を30年以上乗り継ぐ筆者は、会場内にいるときはたびたび展示車を見にきていたのだが、いつも年配のインドネシアのひと(とくにオジサン)が懐かしそうに眺めたあと、記念撮影を行っていた。
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フォードブースへ行くと、初代マスタングが展示されていた。フォードは今回のGIIA2025で現行型マスタングの2.3リッターエコブースト(4気筒)エンジン搭載車のインドネシアデビューを発表しており、その流れで初代を展示していたようである。
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BMWでは、なぜ展示されていたのかはいまひとつ不明だったのだが、日本では“六本木のカローラ”とバブル景気時代には呼ばれていた、2代目の3シリーズ(E30)が展示されていた。
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また、旧車ではないものの、ダイハツでは商用バンとなるグランマックス(日本ではタウンエースバンのほうが有名)をベースに、顔つきを日本での6代目ハイゼットや、2代目タフトのものをオマージュしたカスタマイズ車が展示されていた。
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いまや東南アジアでは最大の新車販売市場を有するのがインドネシア。歴史も重ねてきて、往年の名車を懐かしく思うひとも増えてきており、事実会場内では旧車の展示車が多くのひとを集めていた。
自国量販ブランドこそもっていないものの、国内消費だけではなく、世界各国へ輸出もする自動車生産大国となったインドネシアの自信と誇りのようなものも、展示されていた旧車から感じ取ることができた。