ボルボといえばワゴン……そのワゴンが消滅するって噂はマジ!? 真偽をボルボに確かめてみた (2/2ページ)

買うなら今のうち……?

 しかし、ボルボが2021年、「2030年までに販売するクルマをすべてBEV=電気自動車にする」と発表した計画は2024年に撤回。欧米でのEV需要減速によって、「2030年までに販売するクルマの90%以上をBEVまたはPHEVにすることを目指し、残りはマイルドハイブリッドなどのHV車にする」という計画変更が行われたことで、BEV化しにくいV60がマイルドハイブリッド、PHEVで生き残る”可能性”が出てきた、というのが、今、わかっている情報である。

 ちなみに今、買えるV60は、大きく分けて基本のV60マイルドハイブリッドモデル(659万円~)、V60 PHEV(919万円~)、そしてV60マイルドハイブリッドクロスカントリー(804万円~)の電動モデル3車種となっている。

 なお、V60のボディサイズは全長4780×全幅1850×全高1435mm。ホイールベース2870mm。つまり、SUVモデルとは違い、比較的新しい立体駐車場に収まるサイズ、全高であり、ステーションワゴンゆえに都市部の駐車性で有利と言えるのだ。その優雅なプロポーションから、V60、V60クロスカントリーともに、高級リゾートホテル、老舗高級旅館のエントランスにもバッチリ似合ったりするのである。

※画像は旧モデル

 ちなみに身長172cmの筆者のドライビングポジション基準の車内スペースは、前席頭上に(サンルーフ装着車)140mm、後席頭上に130mm、膝周りに230mmと、とくに後席の足もとはゆったり。後席用エアコンはXC40とは違い、温度調節まででき(3ゾーンフルオートエアコン)、Bピラーにもエアコン吹き出し口があるのもV60の特徴となる。

 肝心のラゲッジルームは529~1441リットルと広大。実測値を紹介すると、開口部地上高640mm、開口部段差0mm、フロア奥行き1010mm、フロア幅1020mm、最低天井高660mm、後席格納時フロア奥行き1670mm(ほぼフラット)。フロアパーテーション機能ありと、世界のステーションワゴンのなかでもラゲッジルームの使いやすさはトップクラス。

 SUVとの違いはフロアの地上高で(XC60は680mm)、重い荷物の出し入れ、大型犬の乗降性という点(犬の後席の乗降性も)でも有利といっていい。つまり、ドッグフレンドリーカーとしての資質も極めて高いのである。

※画像は旧モデル

 そんなV60の2026年モデルの日本仕様は確実にあり、すでにボルボのHPにラインアップ、価格が発表されているから安心してほしい。が、2027年モデルがあるかどうかは不明。

 もし、ボルボのエステート=ステーションワゴン、V60を新車で手に入れたいのであれば、検討は早めのほうがいいかも知れない。そして、V60のようなエステート=ステーションワゴンの需要は、SUVほどではないにしても、確実にあると思えるのが、長年ステーションワゴンを愛用している筆者の考えだ。

 VWパサートがセダンをやめ、ヴァリアント=ステーションワゴンだけになったことも、そうした需要の証明(主に欧州)ではないだろうか。


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青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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