クルマによってできることが異なる
●愛車のシートアレンジをいま一度確認したい
車内が災害時のシェルターになりうるとはいえ、理想的な緊急避難場所として利用するには、シートアレンジが不可欠だ。というのは、過去の熊本地震や新潟県中越地震での報告にもあるように、さまざまな理由で車内避難を余儀なくされた人には、エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症/肺塞栓症)を発症したケースがあり、なかには死に至ったケースもあるというのだ。エコノミークラス症候群は狭い車内のシートに座ったままの姿勢でいることで発症するリスクが高まるといわれているから怖い。
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そこで、愛車の前後席、または後席と荷室、ミニバンの2/3列目席のシートアレンジによって、ベッドスペースがアレンジできるフラットな床面にすることができるか、ゆったり足を伸ばせるスペースを確保できるかを改めて確認したい。
大型SUVやワゴンはもちろん確保可能だが、意外に軽自動車でも、前後席のフラット化によって、大人が真っすぐ横になれるスペースをアレンジできるクルマもある。車内スペースに家族全員が横になれなくても、交互に休めばいいわけだ。
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多くの車種ではフラットアレンジといっても凸凹があり、そのまま快適に横になれるわけではないから、クッションやマットレスなどを使った快適なフラットスペースにアレンジできるよう、あらかじめ用意しておきたい。メーカー純正アクセサリーのぴったりサイズのマットレスを手に入れるのもいい。
ちなみに筆者が知る限り、ミニバンの2-3列目席フラットアレンジで、マットレスや枕なしで快適に横になれる全長2150mmものベッドスペースが確保できる車種として、現行日産セレナが挙げられる。また、トヨタ・クラウンエステートも、マットレスは必要なものの全長2000mmもの完全フラットなスペースがアレンジできる。マットレスや枕などは、家のすぐにもち出せる場所に保管しておくといい。
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●災害時の情報収集に欠かせないスマホの車内充電方法を再確認
車内を緊急避難シェルターとして使う場合の基本的な装備として、エアコン、ラジオ、そしてなんといっても災害時の情報収集、連絡手段となるスマートフォンの充電に必要なUSBポートが挙げられる。が、USBポートがひとつしかないとなれば、家族全員のスマートフォンを充電するのには心細い。
そんな状況で活躍してくれるのが、シガーソケットに装着するUSBポートが複数個あるソケットだ。そのUSB-CポートがPD規格のものが、対応機器を短時間で急速充電することができるからおすすめだ。クルマに装備されているUSBコンセントは、タイプAだと充電スピードはかなり遅く、タイプCであってもただのタイプCではPD規格ほどのスピードで急速充電ができないからである。あわせて、PD対応の充電ケーブルも複数本、用意したい。災害時はのんびり充電している場合ではないのだ。
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●AC100V/1500Wコンセント装着車ならコンパクトな湯沸かしポットや簡易電子レンジも役立つ
愛車が電動車で、アウトドアでも大活躍してくれるAC100V/1500Wコンセント装着車なら、クルマの避難シェルターとしての機能は格段に向上する。1500Wまでの家電品を利用できるからだ。家庭用とは別に、省電力のアイテムをすぐにもち出せる場所に用意しておくと安心だろう。
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