ポルシェの終着点のひとつ! 「911ターボ」か「911GT3」か論争に決着……となるかスーパーカー大王に聞いた (2/2ページ)

GT3はレースシーン直系の1台

 一方のGT3シリーズは、そのネーミングが表しているように、これもポルシェが伝統とするモータースポーツの世界に直結する、よりピュアに走りの楽しさを追求したモデルだ。現在ラインアップされているのは基本モデルとなるGT3のほかに、オンロードでの実用性を重視した同ツーリングパッケージ、そして究極のGT3ともいえるハードコアなGT3RSの3モデル。

 搭載されるエンジンはいずれも3996ccの水平対向6気筒自然吸気で、駆動方式はオーソドックスなRWD。それもまた多くのカスタマーをGT3へと導く大きな理由にほかならない。

 最高出力が510馬力となるGT3では6速MTと7速PDKの両仕様が用意される。また525馬力の最高出力で、1450kgにまでダイエットされた車重を支える、よりスパルタンなGT3RSには7速PDKのみが設定されているが、いずれのモデルでもその走りから強く感じるのは、コーナリングマシンとしての究極的ともいえるパフォーマンスだ。たしかに最高速や加速性能においては前で紹介した911ターボのそれには及ばないものの、GT3シリーズの走りにはスペックから想像する以上の魅力が演出されているのだ。

 ポルシェ911シリーズのラインアップで、特別な存在感を主張するターボとGT3。そのどちらをチョイスするのかは、カレラシリーズを超えた911を望むカスタマーにとっては常に意識させられる問題かもしれない。その答えを導くためには、やはり実際にそのステアリングを握ってみるほかはないだろう。

 だが、それとて誰もが簡単に叶う夢ではないはず。ちなみにそれぞれのモデルは、911ターボが2832万円(カブリオレは3120万円)、911ターボSは3279万円(同3567万円)、GT3と同ツーリングパッケージには2868万円、そしてGT3RSには3378万円というプライスが掲げられている。この比較的近い価格設定もまた、カスタマーの心を悩ませる理由のひとつ。

 ターボを選ぶのか、あるいはGT3を選ぶのか。それは永遠に答えが出ない命題といえるのかもしれない。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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