この記事をまとめると
■物流事業の経営者185名とドライバー720名を対象にインターネット調査を実施した
■経営側がドライバー不足の原因を把握していないという根本的な問題も浮上した
■ドライバー需要に対して就業人口が少ない上に退職者の多さが問題に追い打ちをかけている
ドライバー不足の対策が追いついていない業界の現実が見えた
「物流の2024年問題」から1年以上が過ぎたが、トラック業界はどれだけ変わることができたのだろうか。求人サイト「クロスワーク」を運営するX Mileが、物流関係者を対象に行った調査でその実状が垣間見える。この調査は2025年3月12~21日までの間、物流事業の経営者185名とトラックドライバー720名に、インターネットを通じたアンケート形式で実施されたものだ。
求人サイト「クロスワーク」を運営するX Mileが物流関係者を対象におこなった調査画像はこちら
まず、人手不足が起きているのかということについては、64.3%が「現状で人手不足を課題に感じている」という結果が出た。回答には、慢性的に人手不足が生じている場合も含まれているのだろうが、「物流の2024年問題」がきっかけになって悪化したことは間違いない。
地域的には、中国地方(75.0%)はもっとも人手不足を課題と捉えており、次いで北海道・九州地方(ともに71.5%)となっている。逆に、東北地方(35.7%)は不足感が低い。これは、地域ごとに違いのある物流やトラックドライバーの需要が少なからず影響していると考えられる。トラックドライバーの不足は、つまるところ需要に対して就業人口が少ないということである。これには、新規就業者が少ないということもあるが、相当な退職者がいることに問題があるといえよう。
求人サイト「クロスワーク」を運営するX Mileが物流関係者を対象におこなった調査画像はこちら
退職理由でもっとも多いのが「給料が低い」ことで、退職や転職を考えているドライバーの理由も同様の回答であった。それ以外の退職理由としては、「労働時間が長い」「体力的にきつい」、転退職希望の理由としては、「拘束時間が長い」「肉体労働で体力的にきつい」「職場の人間関係が悪い」などとなっている。これらを額面どおりに捉えるならば、給料を含めた大幅な労働環境の改善が必要と考えられよう。