アンケート結果でわかった崩壊気味の物流現場! これじゃトラックドライバー不足が解決するわけない!! (2/2ページ)

ドライバーの退職理由を一定数把握できていない経営側の現状

 また、その背景にある仕事に対するやりがいや楽しさなどといったものにも、目を向けなければならないと思われる。手積み手降ろしは当たり前、高速代を節約させられて一般道を走っても時間どおりの着荷を要求され、場合によっては長時間路上待機を迫られるといったような状況では、やめたくなっても仕方がないのではないだろうか。

 トラックドライバー不足対策のひとつとして、女性の採用や育成を行うといった施策がある。これまで「男社会」と言われていたバス運転士や鉄道乗務員といった分野では、実際に活躍する女性が増えているという。ところが、本アンケートでは積極的に採用している当回答は24.3%に留まっている。

 逆に、「予定はない」「現在は注力していない」「近々、女性採用はやめる」は合わせて55.6%に及び、「未定」が20.0%であった。積極的に採用をしているところでも、その理由としては「女性ドライバーの活躍に期待している」「女性ドライバーの能力や適性を高く評価している」「企業イメージの向上につなげたい」などといったものが上位を占め、採用される側の目線からすると違和感を禁じ得ない。

 女性が安心して働けるための、トイレ・更衣室などといった施設のインフラや、テールゲート・フォークリフトといった労務環境も十分整っているとはいえない。経営者からすれば、それらを整備するコストとの兼ね合いも頭の痛いところだろう。

 とはいえ、トラックドライバー不足はすでに待ったなしのところにまできている。このアンケートに寄せられた、現役トラックドライバーの声からも明らかなように、現場ではすでに限界を超えてしまっているのだ。

 荷主を含めた物流業界全体が、これまでの考え方を抜本的に見直し、一丸となって早急に取り組まなければならない問題であることは間違いなく、今後の変化が注目されるところである。


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