「アルファっぽくない」は狙いどおり! デビュー直後から賛否両論渦巻くアルファロメオ・ジュニアの見た目について担当者に直撃!! (2/2ページ)

強い想いが込められた「顔」

 多くの感想が聞かれるのが大胆なフロントフェイスについて。3眼ヘッドライトや進化したトライローブ(三つ葉)形状など、アルファロメオの伝統を再解釈した「顔」だが、ここにも既存のラインアップの見慣れたイメージを変えたいという意図があるらしい。

「たとえば2種類の盾型グリルにはそれぞれコンセプトがあります。ハイブリッドの筆記体文字による『レジェンダ』は、戦前の12HPなどからインスピレーションを得たもので、まさにアルファロメオの伝統を示しています。一方の『プログレッソ』は、BEVとして特徴的なビショーネを大きくするなど、伝統の現代的解釈がテーマです。たとえば、スニーカーのロゴマークのように目立つデザインですね」

曲線美を打ち出したサイドボディと細部へのこだわり

 ボディの特徴は、アスリートをイメージしたというサイド面の流れるような曲面と、リヤの伝統的なコーダ・トロンカの表現だ。とくにリヤの横一文字のテールランプは、あえて逆U字型にすることで「切り落とし」感が強調されている。

「サイド面は、直線を一切使わない彫刻的な曲線美が特徴です。張り出したショルダーラインだけでなく、ドア下部のキャラクターラインなどを含めた豊かな抑揚にも注目してほしいですね。テールランプ部はフロントに合わせた細くシャープな表現としていて、もちろん3眼ランプも前後同一テーマです」

 そのほかでは、従来の「アルファレッド」に比べ、パキッとした明るさをもつ3層パールコートのボディ色「ブレラレッド」や、先の「33ストラダーレ」にも通じる5枚の葉をイメージした18インチホイールも見所だが、遊び心ともいえる細部もユニークだ。

「Cピラーの透かし模様やリヤの大きめのロゴのほか、エンブレムは「33ストラダーレ」と同じくモノクロになっています。じつは、リヤガラスには小さく「チェントロスティーレ」の文字が描かれているのですが、それだけ新型のデザインに対するこだわりが強いといえますね」

 ピニンファリーナなど有名カロッツェリアのエンブレムはともかく、自社のデザインスタジオ名をボディに施すのは異例だ。押し出しの強いスタイルには、同様に強い意志が込められているという証なのかもしれない。


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すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

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