最新の充電システムを導入
GT XXに使用されるプラットフォームは、「AMG.EA」と呼ばれるもので、これはもちろんEV専用のもの。パワートレインはフロントに1基、リヤに2基がレイアウトされるアキシャルフラックスモーターで構成されており、システム全体の最高出力は1360馬力。駆動方式は4WDの「4マチック+」となるが、低負荷時にはフロントのモーターを切り離すことで、機械的な抵抗を減らすことができる。
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それぞれのモーターに電力を供給するバッテリーは、メルセデスAMGのF1パワートレイン部門とともに特別に開発された油冷式セルを採用したもの。その容量は114kWhと発表されており、将来的に800kW以上のDC充電ステーションの設置が実現した場合には、わずか5分間の充電で約400kmの走行を可能にするという。
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前後のサスペンションは、フロントにダブルウイッシュボーン、リヤにはマルチリンク形式を採用。これにアクティブエアスプリングを組み合わせるとともに、アクティブコントロールシステムやリヤホイールステアリング機構を導入することで、どのようなシチュエーションでも理想的なスタビリティ、そして快適性をカスタマーに提供する。
こちらもエアロダイナミクスを強く意識してデザインされたホイールは21インチ径で、これに備わる5つのアクティブブレードは、高速走行時にはクローズして空気抵抗を低減させるとともに、制動時にはそれをオープンすることでブレーキを効率的に冷却する確かな機能をもつ。
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そしてメルセデスAMGは、このGT XXのパフォーマンスを証明するために、先日イタリアのナルドにあるテストトラックで高速走行テストを実施。ここには充電インフラのエキスパートとして知られるイタリアのアルピトロニック社と共同開発された、平均で約850kWという高出力充電を可能とする急速充電器がもち込まれた。
その結果GT XXはもっとも走行効率が高いことが事前のシミュレーションから得られていた300km/hというスピードをキープすることで、わずかに7日間と13時間24分7秒というタイムで、地球の円周に相当する4万75kmという距離を走破するという偉業を達成することに成功したのだ。
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前でも触れたとおり、メルセデスAMGはこのGT XXのエンジニアリングを継承したプロダクションモデルを2026年にリリースする。それはハイパフォーマンスEVの頂点というものを再定義する、まさに究極の1台として世界中のカスタマーから熱い視線を集めることになるのだろう。今後の情報を心待ちにしたいところだ。