トヨタひとり勝ちの要因は割安な購入条件にあり
トヨタ以外のメーカーでは納期が順調であるだけではなく、新規受注停止というのはほとんど発生しないことをアピールして、トヨタ車を検討しているお客を囲い込もうとするが、なかなかうまくいっていないように見える。それは実際に商談を進めると、「トヨタ車は買い得だ」というイメージが強くなるからである。
たとえば筆者は現行型カローラセダンに乗っているが、後期モデルからはカーナビがクラウドタイプとなり、トヨタコネクトのサービスの一部となった。つまり、いまでもトヨタ以外のメーカー車の購入検討するとき行うやりとりとなる「カーナビはどうしますか」という交渉がなくなるのと同時に、オプションとして30万円など高額計上する必要がトヨタ車の多くで必要がなくなったのである。
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ドライブレコーダーもフロントが標準装備(筆者の所有グレード)となり、オプションで簡易録画機能のついたバックガイドモニターの選択が可能となっている。さらにETC2.0も標準装備となっていた。つまり、細かい追加払いは発生するものの、カーナビとドラレコとETC合わせて40万円とかいった高額オプションが車両本体価格以外に上乗せされることがないのである。
トヨタ以外のメーカー車では、車両価格はライバルのトヨタ車と比べると魅力的だと感じるが、いざ商談すると、40万円ほどが追加でのっかることとなることが多く、「あまり割安感はない」となることが多いようだ。
逆にトヨタ車では「カーナビもドラレコもETCもオプション計上はいりません(数万円などの追加負担はあったりするが)」となるので、新車の購入検討をしているひとから見れば、追加で数十万円増えることがないので実際以上に“買い得感高いなあ”と感じるひとも多く、「それなら多少納車まで待ってもいいか」とか「受注再開したら教えてほしい」ということになり、結果としてトヨタひとり勝ちが際立ってきているものと筆者は考えている。
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関連性はわからないが、本稿執筆時点ではすでに事業年度(4月から翌年3月)締めでの上半期末(9月)決算セールが事実上はじまっている。あるメーカーでは、人気ミニバンに20万円相当のカーナビクーポンが特典で付与されていた。
販売台数上位車種のライズやルーミーはダイハツからのOEM(相手先ブランド供給)車となるので、コネクティッドシステムもダイハツのものを採用しており、クラウドカーナビが用意されていない。手もちのスマホを使いグーグルマップを映し出してカーナビとしての使用は可能で、9万7900円で装着できる。オーディオレスが標準状態となるのでこの2台はいわゆるディーラーオプションカーナビの選択も可能だが、カーナビ機能にこだわらなければコネクティッドシステムの選択もありだなと考えている。
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厳密にトヨタ車がトヨタ以外の同クラス車より割安な購入条件となっているのかは個々でも異なるのでひと言では語ることはできないが、カーナビもドラレコもETCも追加で高額計上しなくてよいとなったときの「それでいいの?」というインパクトは大きい。そして、それがすべてではないものの、トヨタひとり勝ちの要因のひとつになっているというのはけっしていいすぎではないように感じている。