軽自動車の販売ランキングは近年にない激戦! N-BOX・スペーシア・ムーヴのトップ争いの行方 (2/2ページ)

新車はこれからが買い時になる

 登録車ではトヨタ・シエンタが登録車のみで5位、全体で9位に入っているが、前年比で66.1%となっている。これは8月に改良を行っているため、モデル変更の端境期となり、前年比で販売台数を目立って落としているのだが、8月は全体でも新車販売台数は少なめとなるので、ランキングの順位は目立って下がることはなかった。トヨタ・アクアは9月1日に改良を実施しているので、8月の4337台というのは改良前モデルということになるだろう。

 トヨタ・ノア&ヴォクシーも9月2日に待望の改良を行っている。8月のノア5057台とヴォクシー5122台はいずれも改良前モデルとなるのだが、改良実施直前でも合計1万台オーバーを新規登録しているその様子は、ビッグヒットモデルの貫禄すら感じさせてくれる。

 ホンダと日産あたりが登録車販売ではもう少し目立ってもいいのだが、両メーカーともに軽自動車販売に熱心なので、そこへ販売現場は体力を奪われてしまっているように見える。軽自動車に引かれる形で、登録車でも売れ筋はせいぜいノア&ヴォクシーが引っ張るMクラスのミニバンまでとなっており、台当たり利益の低い新車ばかり売れており、全方位的に国内販売ではトヨタ一強となっている。

 登録車だけではなく、軽自動車でも本稿執筆時点(9月上旬)ではすでに半期決算セールのだいたいの実績予想がついているはず。ここ最近は軽自動車とて契約月内に登録や届け出を行い、納車までしてしまうことはほぼ不可能となっているからである。

 生産状況はほぼ改善し、納期遅延は全体的にある程度解消しているのだが、働き方改革や働き手不足などが手伝い、新車の陸送やディーラーに届いてからの最終完成検査などに時間を要してしまうことも大きい。それでも軽自動車メインとなるが、上旬に受注できれば月内にはナンバープレートのみなら取得可能なケースもある。

 よって軽自動車は、半期決算セールの最終追い込みをしながら、暦年締め年間販売台数をにらみ、登録車は暦年締めだけではなく、事業年度締めでの年間新車販売台数稼ぎのために、しばらくの間は活発な販売促進活動が展開される。なので、値引き余力はかなり少なくなっているのだが、それでも好条件を引き出しやすい環境が続くことになるだろう。

2025年8月単月締め車名(通称名)別新車販売ランキングトップ30

ホンダN-BOX:1万4936台

スズキ・スペーシア:1万1478台

ダイハツ・ムーヴ:1万847台

トヨタ・ヤリス:8818台

トヨタ・カローラ:8589台

トヨタ・ライズ:7487台

ダイハツ・タント:6957台

トヨタ・ルーミー:6644台

トヨタ・シエンタ:5964台

ホンダ・フリード:5697台

トヨタ・アルファード:5665台

スズキ・ハスラー:5633台

トヨタ・ヴォクシー:5122台

トヨタ・ノア:5057台

日産ノート:4947台

日産セレナ:4731台

スズキ・アルト:4701台

ホンダ・ヴェゼル:4527台

スズキ・ワゴンR:4454台

トヨタ・アクア:4337台

トヨタ・クラウン:4072台

スズキ・ソリオ:3989台

ホンダ・ステップワゴン:3964台

日産ルークス:3872台

三菱デリカミニ/eK:3616台

スズキ・ジムニー:3586台

ダイハツ・ミラ:3564台

日産デイズ:3358台

トヨタ・ハリアー:3242台

トヨタ・ランドクルーザー:2911台


この記事の画像ギャラリー

小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

-

愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

新着情報