最新洗車機でもいくつかの使用上の注意事項あり
つまり、クルマの汚れがひどい場合(とくに砂、黄砂、花粉)、予備洗いが鉄則だ。「手軽に短時間でクルマを洗いたいから洗車機を使うのに、その手間はいかがなものか……」と思うかも知れないが、愛車の洗車によるキズを付けたくない(目立たなくしたい)のであれば、予備洗いは不可欠なのである(※予備洗いはバケツの水でもOK。無理ならコイン洗車場の高圧洗車で)。そもそも洗車機を使う際、ホイール、下まわり、細部などはブラシ、スポンジで手洗いしないと洗いきれない。そうした手間は、より愛車をきれいに洗いたいのであれば、避けて通れないのである(ガソリンスタンドの洗車機周辺に洗剤の入ったバケツやホイールブラシ、ボディスポンジンが用意されていることもある)。
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また、いかにも花粉、黄砂などで汚れまくっているクルマが先に並んでいたら、そのタイミングでは洗車を諦める決断も必要かもしれない。
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もっとも重要なことは、冒頭でも触れた最新の洗車機を選ぶことだ。「近くの洗車機は旧式。ちょっと足を延ばすと最新の洗車機がある……」というケースでは、迷わず足を伸ばしても後者を選びたい。最新鋭の洗車機であれば、下手に素人が雑な手洗いをするよりキズつきにくいともいわれているほどだ。新車を数年で乗り換えるような使い方で、月に一度の洗車機洗いであれば、下取り時の「洗車キズによる査定減点」はほぼないと思える。
その上で注意したいのが、高級車、上級車に採用されているピアノブラック仕上げのボディパーツだ。ここはさすがにキズが入りやすく、目立ちやすいため、コーティング、予備洗いは不可欠。
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いや、そこに目立つ磨きキズを付けたくないというなら洗車機は避ける、または最新の洗車機限定(または数は少ないがノンブラシ洗車機)で洗う、を推奨したい(理想はプロの手洗い洗車)。
実際、洗車の専門家でもある筆者は、モータージャーナリストとして多くの新型車に試乗しているが、その試乗車の保守管理者によると、ピアノブラックパーツの洗車キズに泣かされているという(浅いキズなら磨きで落とせるが……)。筆者の愛車も、ピラー部分にピアノブラックの樹脂パネルが使われているため、洗車好きということもあって入念な手洗い洗車に徹している。
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話を整理すると、愛車のボディのコンディションに神経質な人は①布、スポンジブラシの最新の洗車機を使う。②汚れがひどい場合は何らかの方法で予備洗いをする。③洗車機の画面にある付属品の選択を怠らない。④直前のクルマの汚れがひどいのであればいったん、洗車機の使用を諦める。⑤濃色のボディカラー、ピアノブラックパーツのあるクルマはとくにコーティングの施工、予備洗いが不可欠。または洗車機を避ける、ということになる。