【試乗】デビュー時から歴代GRヤリスに乗るオーナーが進化型を試す! 驚くべき走行性能の向上にもうメロメロ!! (2/2ページ)

待望のエアロ装着車も登場

 続いて、GR-DAT搭載車に乗る。まずはフットレストが大型化されたことで、とくにスポーツドライビング時には左足の踏ん張りが利くようになった。DATは、スーパー耐久やニュルブルクリンク24時間レースなど、モータースポーツの現場で鍛えられているだけに、ドライバーの気もち(ニーズ)に寄り添った制御へと進化している。

 例の2コーナーでは、24式だと躊躇してアクセルをちょっと戻すと4速にシフトアップしてしまったが、25式では、登坂勾配ではシフトアップタイミングを遅らせ、シフトアップ後も高出力を維持する。

 また、コースレイアウトによっては、シフトアップせずレブに当たったまま引っ張りたい、というシーンもあるが、そこも、従来の0.4秒から3秒間、ギヤをキープするよう変更された。それだけ、エンジンの耐久性も確認されたという証でもある。

 ちなみに開発ドライバーも務める大嶋選手は、ニュルブルクリンク24時間レース中、ずっとDレンジで走り続けたそうだ。それほどブラッシュアップされ、ラクで楽しいクルマとなっている。が、ソフトウェアアップデートは今後も続けていくという。そしてDAT車両にももちろん、MT同様の進化の要素も投入されている。

 最後に、もっともホットなモデルに試乗。

 それが、待望の「GRヤリスエアロパフォーマンスパッケージ」だ。モータースポーツの現場やサーキットでの開発を通して、プロドライバーとともに、より高い目標性能実現のために開発されたクルマ。6アイテムのパーツを装備することで、冷却性能と空力性能がさらに高められている。

 たとえばダクト付きアルミフードは全日本ラリー選手権参戦車で先行開発された、GRMNヤリスと同形状のもの。フロントリップスポイラーと燃料タンクアンダーカバーは、スーパー耐久参戦車からフィードバックされている。

 ちなみに、当初は5アイテムで進められていたが、フロントリップスポイラーがないとストレートスピードも伸びずコーナーではアンダーステア、ラップタイムも変わらないという大嶋選手からのフィードバックにより追加されたそうだ。結果、富士スピードウェイでラップタイムが約1秒上がったという。

 GRMNほどこれみよがしじゃない可変リヤウィングをはじめ、機能性をまとったルックスはカッコイイ。そして、サーキットを走ってみると、もう、安心感の塊。話に聞いていたフロントリップスポイラーを実車でみると、「えっ、こんな小さなパーツがそんなに効くの?」と驚く。

 空気は見えないが、走って納得。例の2コーナーはギリじゃなくイージーフラット。で、その先のヘアピンコーナーでは、かなりの確率で、進入時アンダーステアを出してしまった。

 何故ならば、その手前が緩やかに下っていて旋回しながらのブレーキングとなるのだが、とにかく旋回時もブレーキング時も安定性が高いから攻めすぎてしまうのだ。インフィールドのまわり込んでいるコーナーでも姿勢が安定しているので積極的に走れる。

 つまり、アンダーステアはドライバーのせいで、ハンドリングもいい。が、スタンダードモデルに比べると若干アンダーステア傾向にある。おらそく、富士スピードウェイのようなもっと速度域の高いコースならちょうどいいだろう。

 今回、リヤウィングは出荷時の真ん中に設定。ショートコースなら寝かせた設定で試してみてもいいかもしれない。

 いずれにしても、見た目よし、走ってよしで、スタンダードモデル+約50万円ならバーゲンプライスといえる。ファーストエディションに始まり、すでに3台目となるGRヤリス(24式)に乗る身としては、メチャクチャ惹かれる……。25式のアイテム含め、早くアップデートや追加装着できるようにしてください!


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