運転が自動になるだけじゃバスの無人化はムリ! 日本の運転士が行っている「きめ細やかな」サービスはどうなる? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■東京都八王子市にて自動運転バスの事故が発生した

■海外ではタクシーやバスの自動運転化が普及しつつあり受け入れられている

■日本で自動運転バスを普及させるにはハード面以外の環境整備も必要だ

自動運転バスの事故に見るバス業界の今

 報道によると、2025年8月29日東京都八王子市において、実証実験中の自動運転バスが道路脇の街路樹に突っ込むという事故が発生した。この事故により乗客2名が軽いケガを負っている。

 事故原因の究明が今後行われていくことになるが、東京都はこの事故を受け、八王子市内での自動運転バスの実証実験は中止とし、ほかの地域での実証実験も手動運転に切り替えていくということであった。

 ちなみに今回事故が起きた実証実験は自動運転バスであって、無人運転バスではない。似て非なるようなこのふたつであるが、自動運転バスは運転席に運転補助者が座っており、必要に応じて手動運転することもあるが、原則自動運転を行う。一方で、無人運転とは運転補助者のいない完全自動運転となる。八王子のケースはレベル2(運転補助者搭乗型)となり、完全自動運転(無人)はレベル4となっている。

 諸外国では、バスよりもタクシーの無人運転が目立ち、そして普及が進んでいるように見える。日本で旅客車両の自動運転についてバスが目立つのは、運転士不足、つまり働き手不足によりここ数年は路線自体の廃止や減便が相次いでいる状況を改善し、日常生活での移動手段を絶やすことなく維持していくようにするという側面が大きい。一方、諸外国でタクシーの無人運転営業が目立つのは、もちろんさまざまな背景があるのだろうが、筆者は有人運転のタクシーに比べて、はるかに安全かつ日常生活の移動手段となるからと見ている。

 日本でもまったくないとはいい切れないが、諸外国ではタクシー運転士が犯罪の主体となり、乗客がさまざまな犯罪被害に遭うケースが多い。キャッシュレス決済原則でデジタルデータでの履歴も残るライドシェアサービスは、地域によってはタクシーを巻き込んで展開されているケースも多い。なので、筆者が経験した限りでは、中国や東南アジアなどはこの流れにより、目に見えてタクシー運転士に対する不信感や恐怖感は減少した。

 無人運転タクシーは、さらにタクシーを安全な乗り物に昇華させるものと考えている。もちろん無人運転タクシーが当たり前のようになれば、新たな犯罪スタイルというものが出てくる可能性は否定できないが、少なくとも諸外国では、いままでのタクシーよりは安全な乗り物になっていくはずだ。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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