「中の人」が語る知られざるウラ側
こうした物流倉庫ですが、実際にロジ・テック トーシン営業本部の西谷さんにもう少し詳しく話を聞いてみたので、紹介していきましょう。
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──物流倉庫の収益ってどこで発生するんですか?
西谷さん:物流倉庫はメインで保管料というものがあります。それに加えて荷役料があります。具体的には、フォークリフトで荷物を出し入れする作業だったり、大手運送会社に渡す荷物のラベルなどを発行して貼ったりというのが荷役にあたりますね。ただ、ケースによっては保管料と荷役料金を一緒にして、1カ月の保管料という形でご案内することもあるので、すべてが保管料と荷役料ということでないですね。
──料金は何で決まりますか?
西谷さん:荷物を保管するスペース(容量)によって決まります。大きなものほど料金は高くなります。荷役料金はお客さんが希望する内容によって変動するので一概にいくらとはいえないんです。ただし、預かる荷物によって料金が高くなることがあります。たとえば鉄1トンとコンピュータ1トンでは、商品価格がまったく異なるため、同じ料金で預かるのは難しいんです。その理由は倉庫会社には法に基づいた弁済義務があり、火災保険で荷物を守っているからです。
──トラックは1日で何台くらい来ますか?
西谷さん:わが社の規模だと平均すると10台前後といったところですね。入庫の場合は10トン車とかも来ますが、搬出は軽自動車などでこまめにもち出すというパターンが多いですね。一気に大量に下ろしたら、あとはちょこちょこ出ていくようなイメージです。
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──預かって面倒な荷物ってあるんですか?
西谷さん:面倒というよりも気を遣うのは棒状の荷物ですね。保管するにも立てかけて置くことしかできないんですよ。本当は横にしてパレットに置きたくても、倒したままだと変形してしまうので、荷物のなかでは手間がかかる部類に入りますね。
──実際に物流倉庫で働いてみた感想を教えてください。
西谷さん:入社前は物流倉庫の仕事なんて単純だろうって思っていました(笑)。でも仕事を教わっていくうちに、いろんな業種やお客さんに対して我々が手伝えることを提案したりすることや、外からでは見えない仕事もたくさんあることに驚きましたね。ただ場所があって、そこに荷物が来て保管するだけじゃないんだ、っていうのが働いてみて実感した正直な感想ですね。
今回、紹介したのは物流倉庫における仕事のほんのごく一部にしかすぎません。まだまだ物流倉庫には奥深い世界があります。取材中も出入りする多くのトラックドライバーの表情を見ていると、ここは単なる物流倉庫ではなく、ある意味オアシスなのでは? と思えるシーンがたくさんありました。