この記事をまとめると
■希望ナンバーは新車登録の半数が取得しており年間500万台に迫る規模となっている
■抽選倍率は地域や番号次第で100倍超の人気となり登録遅延も深刻化
■抽選の有料化や入札制が議論される一方で公平性や格差拡大の懸念も残る
どんどん市民権を得ている希望ナンバー
希望ナンバーの有料化が検討されているとのことですが、致し方ないような気もします。というのも、国土交通省によると、新車登録の約50%がなんらかの希望ナンバーを取得しているとのことで、年間ざっと500万台近くに上ることに。そりゃあ倍率も上がるでしょうし、人気ナンバーの抽選に外れる方も相当な数になるはず。いったい、どんなことになっていくのか背景を探ってみましょう。
希望ナンバーについておさらいをすると、1998年以降、希望すれば好きな番号を自由に取得できるよう制定されています。ただし、8とか7のぞろ目やひと桁、あるいはお馴染みの11-22(いい夫婦)や11-88(いいパパ)、この頃流行りのエンジェルナンバー「358」は、人気のあまり抽選となっているのです。
人気ナンバーのひとつ「1」画像はこちら
この抽選の倍率が前述のとおり申込数があまりに増えたため、さまざまな弊害というか、クルマ屋さんとユーザーがほとほと困っているのが現状。抽選は週に1回、月曜日に行われるのですが、ハズレたらナンバーがゲットできない、つまり登録ができないということで、新車がクルマ屋さんに居残り、ユーザーはイライラしちゃうわけです。また、何回ハズレようと「次回は優遇してあげる」みたいな温情システムもありません。
地域によって、あるいは人気ナンバーの種類によっては抽選倍率が優に100倍を超える場合もあるようですから、理論上100回連続でハズレることもあるわけです。すると、100週・700日、つまり2年近く登録できないケースも生じかねません。なるほど、笑い話では済まない状況を迎えているといえそうです。
この抽選はこれまで無料でしたがこれを有料化、あるいはオークションによる入札方式にするなどの方法が議論されているとのこと。国交省は支払われた料金をご当地ナンバーと同じく「社会課題解決や公共目的に活用する」という案も掲げています。が、一方では「お金を出せる人にしかチャンスがまわらない」とか「抽選倍率が実際には大きく下がらない」といった懸念も払拭しきれません。
ナンバープレートのイメージ画像はこちら
2017年以降、これまでひらがなだけだった分類番号にアルファベットを導入して当選倍率はいくらか下がったものの、人気ナンバーをほしがるユーザーは増える一方。そればかりか、新たな人気ナンバーも次々と現れてくる始末となれば、たしかに有料化も避けられないのでしょう。
この話題をクルマのブローカーに振ったところ、ちょっと乱暴な意見が返ってきました。
「希望っていうくらいなんだから、金払うのは当たり前だろ。希望を伝えて無料でサービスしてくれるのは、ラーメンの硬さくらいじゃね。ただし、払う金額は高くてもかまわないから、本当の希望をかなえてほしい。数字はいうまでもなく、ナンバープレートの形から取り付け位置、数字の書体だってカリフォルニア風とかEU式がいいとかあるもんな。国交省や警察の都合なんて知ったこっちゃない。こちとらナンボでも払う上級国民さまなんだから。さもなければ、抽選なんてやめちまう。希望ナンバーをいくらでもバンバン発行すれば、そのうち増えすぎてインフレが起こる。そしたら8がいいとかエンジェルがどうしたこうしたってのは流行遅れのデフレになるよ。学校出てるなら、それくらいわかるよね?」
まったくの暴論ながら、有料化を目論む方々はどう受け止めるでしょうかね。