多少は我慢できるが……
つまり、タクシーにおける当たりハズレとは、装備や車両ではなく「人」にひもづく話なのだ。たとえバリバリに新しいジャパンタクシーの匠(たくみ)グレードであったとしても、人すなわちドライバーが最悪だと、それは必ず「ハズレ」になるのである。
ならばどんなタクシードライバーが「ハズレ」なのか、以下に列挙してみよう。
●加減速が下手
もしかしたら本人は上手いつもりなのかもしれないが、アクセルやブレーキの踏み方が、まるで素人のおばちゃん並みに「ONとOFFの2段階しかない」というドライバーがたまにいる。まあ「2段階しかない」はさすがに大げさだが、それに近いニュアンスでペダル操作をするドライバーの車両に乗った日には、スタントマンのように後席ドアを開けて飛び降りたくなる。
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●超絶無愛想
別に友人になるわけではないので過剰に愛想がいい必要はまったくない。多少無愛想かつ不機嫌であってもさほど気にならないし、個人的には超絶丁寧な接客はやりすぎであるとも思っている。とはいえ、あまりにも無愛想だとさすがに不快であり、近距離の移動をオーダーした際に「……チッ」などと舌打ちされると(まぁまったく気もちがわからないわけではないが)、「おい、表に出ろ。拳で会話しようや」といいたくなる。
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●タメ口で話しかけてくる
最近はそういうドライバーも少なくなったような気がするが、とにかく私はあなたの友だちではないのでタメ口はやめてほしい。もしも丁寧な物のいい方をしたくないのであれば、黙っていてください。
●ドライバーの身体や服から、タバコを煮しめたようなにおいがする
休憩中に車外でちょっと一服……というのも必要なことではあるのかもしれないが、「煮しめたようなにおい」は勘弁してほしい。本数を減らすか、もしくは風向きに注意しながら吸ってください。
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……先ほど「以下に列挙してみよう」と大見得を切ったが、以上4点だけで話が終わってしまった。申し訳ない。いやもちろんほかにもこまごまとしたポイントはあるのだが、こまごましたことは、ガマンもできる。しょせんは5分から数十分ほどの、1度きりの付き合いである。
だが、上記の4点だけは本当にガマンならない。身体と衣服からバラの香りを漂わせながら一流の運転をするドライバーになってほしい──などとは決していわないが、とにかく「プロとしての普通ぐらい」ではあっていただきたいのだ。