この記事をまとめると
■全長5350mm超の日本未導入モデル「日産パトロール」を試乗した
■操作系は軽快で取りまわしやすく巨体に対する安全対策も万全
■V6ツインターボと9速ATが重いボディを俊敏に走らせ安定性も高い
日本導入のウワサもあるパトロールを中東仕様でチェック
長さ5m超え、幅2m超え、ホイールベースは3m超え! 日産パトロール、わっかりやすいデカさである。試乗したパトロールは中東仕様。存在感ありありのスリーサイズを正確にいうと、全長5350x全幅2030x全高1955mm、ホイールベース3075mmの巨漢である。
ただ、パトロールの隣に立つと身長167センチの筆者は簡単に隠れられるが、試乗コースである日産グランドライブ=追浜テストコースで乗ると、そのサイズ感を掴みにくい。いっそ追浜の市街地に出て路地に入ってみようかと思うのは、パトロールの車幅感覚や取りまわしがしやすいのか否かを確認するため。だが、当然ライセンスナンバーは未装着だった。
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アメリカンの超大型SUVと同様に、アクセル、ブレーキ、片手でスルスルと回せるステアリングなど、パトロールは操作系のすべてが軽い。軽さゆえに取りまわしやすいと感じてしまうところは、よくもあり悪くもある。
実際、ボディサイズは車線内ギリギリだから、軽快に動いてしまう巨漢をいかに「じんわり操作」して走らせることが重要だ。そこをクルマ側で抑え込む制御をすると、「遅い!!」と反応するユーザーもいるのでメーカーの対応は難しいが、そうした操作も含めてドライバー講習も必要であると、改めてメーカーや我々自動車ジャーナリストは声を大にする必要がありそうだ。
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超大型サイズに対する安全対策のひとつが、クルマの周囲の死角をなくすことだ。パトロールはエンジンフードを透過して路面を眺める機能がある。フロントグリルのエンブレム下にあるカメラにより、高いボンネットフードの先端真下にある物体、路面状況を把握するのに絶大な効果を発揮する。
さらに、丁字路など死角から飛び出してくる車両や自転車を事前に感知する機能も、肉眼よりも先にカメラがキャッチ。前後左右、エンブレム下とドアミラー、後部4つのカメラを使って3D化された映像を見ると、自車のまわりに子供が居ないか、障害物はないかがよくわかる。日産の自動化技術からの流れとして、センターモニターだけではなく、ドライバー目前の回転や速度計のモニターまで切り替え可能で、合わせるとワイドビューで知らせてくる。
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コクピットへはシートをよじ登って着座する。左ハンドルだけに、専用道路や駐車場のチケット発券機が右にしかない場合は、完璧にアウト!! 幅広いセンタートンネルに驚き、助手席までの距離の遠さなど2m超えの全幅の広さを目の当たりにする。
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エンジンは3.5リッターV6ツインターボ。425馬力/700Nmの出力を9速ATで減速して路面に伝える。エンジン始動後、シフトレバーはどこか!? と探すと、センターコンソールの下部にPRNDと並ぶボタンが。