【試乗】砂漠の王者は日本の舗装路の走りもイイ! 日本未導入の日産パトロールに「技術の日産」をみた!! (2/2ページ)

パワフルかつ安定感のある走り

 モーターアシストがまったくない素のエンジンパフォーマンスにもかかわらず、ゼロスタートからの俊敏なダッシュ力には驚きを隠せない。V6のハイパフォーマンスターボエンジンはフェアレディZやGT-Rにも搭載されるが、それらにも共通するV6サウンドと鋭いレスポンスを示す。

 そういうと飛び出し感があるようだが、そこはアクセルの踏み込む早さと量に応じてだから、不自然さはない。ともかく2.8トン超の車重をものともしない軽快な加速感に恐れ入る。9速ATの1-2速のギヤ比が低いことも関係するが、2000rpmまでの低速トルクの立ち上がりも急激で、エンジン特性の威力を感じる。上は6000rpmまでキッチリ吹けきり、高速巡航での回転数と燃費も確保されている。

 軽快さを感じるのは加速だけではない。ハンドリングも速度にかかわらず舵角どおりにトレースする能力が非常に高い。全高1955mmだが速度に応じたロール量で不安は皆無。高速レーンチェンジ、高速旋回中のフルブレーキングでの姿勢の安定性も素晴らしい。

 サスペンションのストロークトラベル量、とくにリヤのリバウンド側の伸びが高速の横Gでも路面を確実に捉えて安定する。ブレーキも軽いタッチから利きはじめ、ペダルストロークとそのコントロール性も素晴らしい。

 高速走行性能うんぬんをいうクルマではなく、中東ではサラサラ砂と気温50度、ラフロードの走破性がどうかがメインだが、追浜では日本の日常で使った場合のドライ路面での日常性、限界性能付近の安定性とを確認できた。

 中東で70年の歴史と信頼性。砂漠のライオンとの異名も取るパトロール。タフな性能は技術の日産の証明だ。やはりパトロールは砂漠の王者なのかもしれない。

国内未導入の日産パトロールに桂 伸一さんが試乗


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