前はカワイイ今度はカッコイイ! 新型クロスビーのデザイナー3人に「キモ」を直撃 (2/2ページ)

モデラーが再現した革とステッチの質感

──次にインテリアについて伺います。先代はエクステリア同様丸さを前面に出した柔らかい形状が特徴的でした。

「はい。ただ、SUVとしてはカワイさやポップさが勝っていたかもしれません。今回は『マインド サファリ』のコンセプトにより、本質的なSUVらしい骨格をまず作り、そこへモチーフである丸みのある四角を配置しています。インパネもゴツゴツしたギア感ではなく、しっかりした内面の骨格を意識し、ノイズ感のないデザインとしました。」

──インテリアのウリのひとつが革とステッチを模したパネルですが、実際に家具店でイスを購入したとか……。

「そうなんです(笑)。ただ単に本物を参考にしただけでなく、今回はモデラーさんに本物感の追求をお願いしました。革の面質を徹底して追及するとデータだけではダメで、クレイを使った手作業でなければ本物感が出ませんでした。さらに、上級オプションでは材着ではなく『サファリカーキ』の塗装を施してさらに質感を上げています。」

──フォグランプ加飾と色を合わせた空調まわりのパーツや、ヘリンボーン柄のシート地も特徴的ですね。

「高輝度のウォームシルバーですが、じつは空調部は少しだけ明度を落としてメッキレスの雰囲気を作っているんです。ヘリンボーンはトレンドかつ上質さのアイテムでもありますが、今回はあえて柄を横向きにすることでシートが広く見えるよう工夫しています。また、サイド部のブラウンとの相性もいいですよね。」

──最後にボディカラーについて。新色の「ミスティックブルー」はメインカラーとしてはかなり渋い色調ですね。

「ブルーに限定せずいくつも検討したなか、トレンドを意識した上で今回のテーマに合う色相として決めたモノです。先代で好評だった『キャラバンアイボリー』や『タフカーキ』からの差別化もありますが、今回の新色は濁らせながらも深みのある表情や特徴的な質感にすることで、いままでのクロスビーよりも上質な雰囲気を追求しました。また、ホワイトルーフとの相性もいいんですよ!」

──新提案の「ブラック タフ 2トーン」はルーフに加え、ボディの下半身がほぼ黒という思い切ったカラーリングです。

「先代にあった3トーンを参考に、これをブラックでやれば『カッコよさ』が表現できると考えました。ボディ下部はガンメタも試したのですが、やはりブラックの塗装のほうがよかった。そもそも新型はバンパーをボディ色としたので、そのぶん現行以上にタフなイメージが出せていると思います」

──たしかに、樹脂の素材色とブラックの塗装の組み合わせが絶妙ですね。本日はありがとうございました。


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すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

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筒井康隆 /三谷幸喜/永六輔/渡辺貞夫/矢野顕子/上原ひろみ

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