まるでダンジョンのような空間にまさかのデコトラ! 地下採石場で行われた「デコトラ展示」が圧巻の光景だった (2/2ページ)

きらびやかなデコトラの電装が輝く元採掘場に潜入した

 資料館の改札を通って細い階段を降りると、地上とはまったく異なった、まるでRPGの地下ダンジョンにあるような空間が、眼前に飛び込んでくるのだ。もともとそこは、すべて大谷石で埋め尽くされていたのだろうが、長年の採掘で薄暗いアリーナのような広場になっている。通常は、ここで大谷石の採掘跡を静かに見学するのだが、この日は、映画『トラック野郎』で有名な「一番星号」を始めとした本物のデコトラが、電飾を光らせた状態で各所に配置されており、背景とのコントラストに見る人すべてが息をのむ光景が広がっていた。

 ここで昭和世代が気になるのは、「あの細い階段から、どうやってこんなに大きなトラックを地下に降ろしたのでしょうね」ということだ。それを考えたら、夜も寝られなくなってしまう。もちろん、ダンプトラックのように解体・切断して運び込み、なかで組み立てるといったやり方をとったわけではない。その答えは簡単で、大谷石を切り出した後に搬出するための大きな通路が、一般には公開されていないところに設けられており、そこから搬入しているのだ。

 1975年~1979年にかけて、映画「トラック野郎」シリーズ10作品が制作・上映された。このころから2度ほどデコトラブームのピークがあったものの、その後は規制などの影響で衰退の一途を辿り、現在では往時の6分の1程度の台数しか存在していないといわれている。しかし、そのアート性に対しては世界的に評価されており、もはや文化の域に達しているといっても過言ではない。こういった催しによって、トラックアート文化の継承がされることを期待したい。


この記事の画像ギャラリー

新着情報