スーパーツアラーをさらに磨き上げた超スーパーツアラー! よりパワフルで軽いアストンマーティンDB12 Sの魅力がヤバい (2/2ページ)

走行性能も一段と過激に

 インテリアでもDB12 Sに独自のディテールが数多く存在する。ローレット加工された金属製のドライブモード変更用のロータリーダイヤルはレッドアノダイズド仕上げとなり、このカラーはシートベルトやシートのコントラストウェルト、コントラストステッチ、ヘッドレストの刺繍にも使用される。

 インテリアトリムには「アクセレレート・レザーとアルカンターラ」、「インスパイアSセミアニリンレザーとアルカンターラ」、そして「インスパイアSフルセミアニリンレザー」の3タイプを用意。フロントシートは16方向に調節可能なスポーツプラス電動シートが標準となるが、オプションで軽量なカーボンファイバー製パフォーマンスシートをオーダーすることもできる。

 フロントに搭載されるエンジンは、スタンダードなDB12と同様に4リッターのV型8気筒ツインターボとなるが、オプションでは標準のステンレススチール製に対してじつに11.7kgも軽量なチタン製も用意されるエキゾーストシステムを改善することなどによって、最高出力はさらに20馬力のエクストラを得て700馬力へと強化。組み合わされる8速ATもそのシフト時間は50%以上削減された。

 ドライブ・バイ・ワイヤのスロットルマップもDB12 Sのためにリニューアルされ、よりリニアでレスポンス性の高いアクセル・フィーリングが実現されることになった。電子制御のディファレンシャルも新たにチューニングされている。

 そして、このパワートレイン以上に激しい進化が認められるのはシャシーのディテールだ。ロールとピッチのコントロール性向上のために、ビルシュタイン製のDTXアダプティブ・ダンパーのソフトウェアを変更したほか、リヤのスタビライザーも7%強化され、ジオメトリー設定も改められた。ブレーキシステムにはカーボンセラミックディスクを標準で装備。それによってより高い制動性能と耐フェード性、そしてバネ下重量を27kgも軽量化することに成功した。

 インテグレーテッド・ブレーキ・スリップ・コントロールや、インテグレーテッド・ビークル・コントロールとの連携を最適化する新世代のコーナー・ブレーキ・コントロール・システム、CBCの採用も大きな話題だ。

 0-100km/hをわずかに3.5秒で加速し、325km/hの最高速を誇るというDB12 S。それがこれまでアストンマーティンが伝統としてきたSモデルの魅力を確実に継承する、期待のニューモデルであることは疑う余地がないところである。


この記事の画像ギャラリー

山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

新着情報