この記事をまとめると
■1980年代のアメリカではガソリンは「水より安い」といわれていた
■現在の南カリフォルニアのガソリンは1ガロン(約3.78リットル)5ドル目前の高値水準になっている
■製油所爆発により再びガソリン価格高騰の恐れがありBEVに注目が集まるかもしれない
かつては1ガロン80セントだったこともある
かつてアメリカでは「水より安い」といわれたガソリン。筆者が初めて南カリフォルニアを訪れたのは1989年のこと。アメリカで初めて自分で借りたレンタカーは日産セントラ(サニー)で、日本ではトラッドサニーとも呼ばれたモデルである。
借り出してしばらくしたとき、燃料計を見るとタンク半分ほどまで減っていたので初めてセルフ式スタンド(当時の日本はフルサービスが当たり前)で給油を行った。アメリカでははじめにキャッシャーへポンプナンバーを告げて現金を渡すことで給油開始となる(渡した金額以下で満タンになるとお釣りがもらえる/いまは給油機でクレジットカード決済可能)。満タンになって給油機に表示された料金はわずか約4ドルだったのをいまも鮮明に覚えている。
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しかも、1ガロン(約3.78リットル)あたり80セントもいかなかったのである。当時のレートで円換算しようと思ったら、1989年の円相場は1ドル137円だったので約548円だった(いまは約150円、円もだいぶ弱くなったなぁ)。まさに日本で原チャリ(原動機付自転車)に給油する感じだと当時思ったことをよく覚えている。
時代は変わり日本では平成から令和となり、南カリフォルニアのガソリン価格も際立って高値傾向が目立っている。本稿執筆時点での全米平均での1ガロンあたりのガソリン価格は3.152ドル(約472円/1リッターあたり約124円)となっている。一方、カリフォルニア州の平均ガソリン価格は4.642ドル(約696円/1リッターあたり約184円)とほぼ日本並みとなっている。もともとカリフォルニア州では、州内産原油での精製ガソリンの割り当てや他州とのガソリン成分の違いがガソリン価格を他州より高めているといわれてきた。
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さらに、日本でも需要の多い幹線道路のバイパスやクルマ社会が進む地方都市のほうが、東京都心部など特殊な地域を除けば、需要が多く生活必需品でもあるためガソリン価格の割高感が目立つが、カリフォルニア州、とくに南カリフォルニアではその傾向も強いようである。
しかし、南カリフォルニアでも治安のいい場所と悪い場所など、隣り合っていても業者間でガソリン価格が大きく異なっており、さらにクレジットカード決済などよりは現金決済のほうが、手数料の関係だと思うが、安くなっているのも一般的となっている。
そうはいっても、世界情勢などを加味してもここのところの南カリフォルニアのガソリン価格は高値傾向が目立っている。このままいけば来年、つまり2026年に再び訪れると87オクタンの一番安いガソリンでも1ガロンあたり5ドル超えが当たり前となっているかもしれない。