水より安かったガソリンがいつしか高騰……加えて精油所の爆発事故!? アメリカでEVが飛ぶように売れる可能性が出てきた (2/2ページ)

製油所の爆発事故でさらにガソリンが高騰する?

 地元報道のなかには、この高値傾向を助長しているのが州内の製油所の閉鎖による縮小も一因にあるとしていた。カリフォルニア州は2035年にICE(内燃機関)新車の販売禁止を進めている。つまり、将来的には州内のガソリン需要は大幅に減少に転じる(新車販売を禁じるが所有は禁止していないため)として、製油所の閉鎖などの整理を段階的に進めているというのである。

 供給量がやんわりとでも縮小すれば、もちろん小売価格に跳ね返るのは当たり前。前述したとおり、だからといって他州で精製したガソリンで補てんするということもできない。環境保護団体の陰謀説も冗談半分で囁かれているが、割と近いノリでガソリン価格の高値安定が続いているようにも筆者は感じている。

 そのような状況下、2025年10月2日夜に短期的であるがガソリン価格を急騰させる可能性のある出来事が起こった。ロサンゼルス市近郊にある製油所が原因不明(本稿執筆時点)による爆発炎上したのである。テレビニュースではダウンタウンあたりからの定点カメラでもはっきりと爆発炎上している様子が映し出されていた。

 過去にも製油所が爆発したことで一時的にガソリン供給が急減してガソリン価格が1ガロン当たり10ドル以上となり、まさにパニック状態に陥ったこともある。さっそく今回もガソリン価格高騰への懸念も報じられていた。

 州内の製油所に突発的なトラブルが起こっても、他州精製のガソリンを転用することもできないので、単純に需要と供給(便乗値上げもあり?)だけでガソリン価格が急騰してしまうのである。過去にはガソリン価格高騰時期にトヨタ・プリウスが飛ぶように売れたといった都市伝説を聞いたことがあるので、今回ならばBEV(バッテリー電気自動車)が飛ぶように売れるかもしれない。

 本稿執筆時点では爆発炎上原因や復旧にかかる期間などがはっきりしていないのだが、そのなかで報道では短期的に平均価格で50セント(約75円)ほどの価格上昇の可能性が高いとしていた。日常生活のほぼすべての移動をクルマに頼るのだから、短期的とはいえガソリン価格の高騰は家計へのダメージも大きい(通勤交通費なども基本出ないので)。「水より安いガソリン」は、もはやアメリカ人のなかでもこれをリアルで体感しているひとはほとんどいない。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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