この記事をまとめると
■最近は新車発表から販売まで期間をあけることが多い
■発表から販売までの間に予約受注を受けて生産体制を調整するケースがある
■在庫販売はリスクが多いのでいまのような受注生産のほうがディーラーにとって都合がいい
新車は発表から販売まで時差がある
2025年9月16日(水)、スズキはクロスオーバーSUVスタイルのBEV(バッテリー電気自動車)となるeビターラを国内で2026年1月16日(金)より発売することを発表した。また、2025年9月18日(木)には、三菱自動車が自社スーパーハイト系軽自動車となるeKスペース及びデリカ ミニをフルモデルチェンジし、2025年10月29日(木)より発売することを発表した。
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日本のみならず、新型車の発表については「実車をお披露目するものの発売は後日」というパターンと、「発表と発売が同時」という、おもにふたつのパターンがある。ホンダでは発表翌日より発売ということが多い。
しかしここのところは、とりあえず発表のみとしておいて、発売日まで結構時間のあるケースが目立っている。ある意味これは、正式発表と正式発売日の間に公式予約受注期間を設けているようにも受け取れる。
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発表と発売が同時というケースでは、一般的に発売前1カ月前くらいから、非公式に予約受注活動を行っていることも多い。しかし、これは基本的にすでにディーラーの管理顧客(そこで新車を購入して付き合いのある客)を中心に案内されるのが一般的なので、公平ではないとの話もあり(他メーカーユーザーは待たされることが多い)、人気の高いモデルでは正式発売まで予約受注活動を行わないというメーカーも、最近では出てきている。
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予約受注をあまり大っぴらに公表せずに行ってきたことについては、正式発売前に購入希望客はどのグレードを選び、どんなオプションを装着したがるかなど、需要動向を知るために行っていたことも大きいようだ。本格的な量産に入る前に顧客の需要動向を把握し、人気のボディカラーも含めて、需要の多い仕様の生産比率を高めて本格量産に入ることで、納期の短縮化とともに、生産効率の最適化をはかるという戦略から、予約受注を行っているものとされていた。
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なお、日本と海外では新車販売の手法が少々異なる。諸外国では在庫販売が原則となるからだ。
流れとしては、各新車ディーラーに置かれている在庫車から、購入希望客がほしいモデルを探して購入するのが一般的。ディーラーからはリクエスト程度しか入れることができず、一方的というのは少々語弊があるが、メーカーから出荷された(同一車種でもグレードやオプション内容もバラバラらしい)車両を、そのままディーラーがストックして販売しているのである。
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アメリカでは在庫車をより多く抱えることができるディーラーが、お客がさまざまなモデルを選べるが故に、販売面で有利だともいわれている。